瀬ヶ崎がリビングを覗くと、葉と篤弥はキャッキャと声をあげてポーズをとっていて、篤弥が葉にバックハグして耳元で囁いているところだった。葉は楽しそうに笑っていたが、瀬ヶ崎に気づいて慌ててレースのカーテンの裏に隠れる。
瀬ヶ崎はツカツカと篤弥に近づき「すみません、急用ができてしまったので葉を迎えにきました」と凍りついた微笑を浮かべる。「葉をたぶらかしてんじゃねぇぞ!」「勝手に触りやがって!」と瀬ヶ崎の吹き出しが出て、「誰?」と篤弥の吹き出しが出る。
テーブルに置いてある万さんの漫画「推しカレ!」に気づいて、手に取る瀬ヶ崎。篤弥は瀬ヶ崎だとわかって挨拶(あいさつ)しようとするが、瀬ヶ崎は無視して葉が丸見えになっているレースのカーテンを容赦なくジャッと開ける。
観念して地蔵のように無の表情で立っている葉に、瀬ヶ崎は「残りはリモートでやればいいよな」と冷たく言う。そして、葉の手を引いてズンズンと万さんのうちを出て行ってしまうのだった。
篤弥とじゃれ合う葉も、レースのカーテンの裏で隠れたつもりになっている葉もかわい過ぎる。そんな無防備な葉に結局振り回されてしまっている瀬ヶ崎も愛しくて、独占欲を出して嫉妬している姿にキュンキュンしてしまった。
◆構成・文=牧島史佳
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