「衛星放送協会オリジナル番組アワード ドラマ番組部門 最優秀賞」 広末涼子×金成祐里×制作者インタビュー「家族三代のキャストは本当の家族のようでした」
ドラマの中で思い出に残っているシーンはどこですか?
広末「杏子がある男性に飛び蹴りをした後、一緒にいた宙太が彼に豆を投げる場面。金成くんは監督のカットの声がかかるまで、目がウルっとするぐらい本気で豆を投げていました。金成くんは私と彼のやり取りを見ていて、“伯母さん”がひどい扱いを受けているのが悔しかったんでしょうね。やっぱり小さくても男の子だから伯母さんを守ろうという優しさがあるんです」
堤口「あの場面の金成くんはすごかったですね。本気で怒っていて、顔が真っ赤だった。スタッフもみんなびっくりして、幼いながら演技者としての才能を感じました」
金成「あのときは、本当にカーっとなっちゃったのかも…」
広末「そういう正直な感情も演技として出せて、それを英監督がちゃんと拾ってくださる環境でしたね」
漫画や小説のドラマ化が多い中、オリジナルで作る意義をどう考えますか?
堤口「原作ものも面白いんですが、やはりオリジナル企画にはドラマを作る醍醐味があると思います。それに正直、制作者としては、オリジナルなら脚本家と話し合っていけば自由に作れるというメリットも感じますね」
広末「私は、小説などの原作がある作品でも脚本を最初に読んだときの感覚で演じるようにしています。ただ、原作の読者は十人十色のイメージを持っていらっしゃるので、やはり配役にしろ演出にしろ、ハードルは高いですよね。オリジナルの場合、そのプレッシャーがなく、すとんと役に入れる感じはします」
堤口「そうですよね。このドラマでも、最初から宙太は金成くんだし、杏子は広末さんとイコールになるので」
広末「今回、家族三代のキャストがみなさん本当に温かい家族のようになって、打ち上げのときも、『これ、シリーズ化できるんじゃない?』なんて言っていたんですよね。宙太がどこかに大冒険に行くとか…」
金成「続きでは、行ったことのないところに行きたい!」
堤口「いいですね。パート2でも宙太くんはずっとどもっているし、杏子さんも相変わらず失恋しているという(笑)。オリジナル企画だけに、続編が実現したらうれしいです」