――形兆を演じるプランは考えていましたか?
「最初はあったんですけど、三池監督の頭に構想が出来ていたので、そこでOKをもらおうと必死でした。だから、虹村兄弟の関係性と『ジョジョの奇妙な冒険』だからと堅くならずに、なるべく現場で自由にいることだけを心がけていました」
――スタンドが絡む撮影は特殊だったと思いますが。
「今回は絵コンテを見たり、現場で説明してもらったりしながらの芝居だったので、撮影中は想像力を働かせていましたね。ただ、それほど戸惑うことはなかったと思います。作品を観て“あ、こんなふうになったんだ”と思うシーンは結構ありましたけど」
――形兆のスタンド、バッド・カンパニーは想像しづらいと思いませんでしたか?
「どちらかといえば、楽しんでいました。“後ろから戦闘機が飛んで来まーす”“テンションを上げて、ミサイル、飛びまーす!”と指示が出て、そうなのかと(笑)。特異な作品、キャラクター、世界観だからこその違和感を大事にしていたというか。普段は自分の中で違和感を排除しながら演じることが多いんですけど、今回はその違和感を楽しんでやろうと。特に、CG撮影は楽しくやっていたと思います」
――形兆に対する三池監督からのリクエストはありましたか?
「衣装合わせの時に話そうと思ったら、笑顔で“任せたよ”と(笑)。僕が原作を好きだというのをわかった上での言葉だと思います。監督に言われたのはそれだけです。ただ、僕がクランクインして最初のカットを撮った時に、モニターを見ていた監督が“キャーッ!”と言ってくれて(笑)。墓場で葬式を見ているカットだったんですけど、その瞬間に形兆の佇まいも含めて安心しました。この延長線上で演じていけばいいんだと」
――完成した作品は観たと思いますが。
「自分が出ている作品は、恥ずかしさや反省も含めてちゃんと観られないというのはありますけど、スタンドが出て来た時に前のめりになっていました。個人的には、スター・プラチナを観た時に“スゲエ!”と思いましたね。それに三池監督はこれまでの作品もそうですが、役者を凄くカッコよく見せますよね。今回もプレッシャーを跳ね返して大役を務めた賢人、いつも通り凄い存在感を発揮していた孝之さん、出ているみなさん全員が本当にカッコいいです。多彩なキャラクター、細かな演出、一瞬も飽きることなく最後まで観ることが出来ました。だから、原作ファンの人達にも楽しんで観てもらえるんじゃないかなと思いたいです(笑)」
取材・文=あらいかわこうじ
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