世界興収732億円を突破し、日本でも興行収入26.7億円を突破(1ドル148.72円換算/Box Office Mojo調べ)するヒットを記録した、ディズニー&ピクサー最新作「マイ・エレメント」の配信が11月1日にスタート。同作は、火、水、土、風といったエレメント(元素)たちが暮らす世界を描いた長編アニメーション作品。監督は「レミーのおいしいレストラン」(2007年)をはじめ、数々のピクサー作品に声優としても携わった経歴を持つアニメーターのピーター・ソーン監督だ。今作の舞台となるカラフルで個性的なエレメントたちが暮らす街・エレメントシティには、監督自身の思いや経験なども込められているという。火の女性・エンバーと水の青年・ウェイドの“正反対な二人”が奇跡的に出会い、心を通わせるピュアなラブストーリーの魅力をひもとく。(ネタバレを含みます)
多種多様な“エレメント”たちが暮らすエレメントシティには「他のエレメントとは関わらない」という暗黙のルールがあった。中でも火は、触れると燃やしてしまう特性を持つことで、その他のエレメントたちから煙たがれる存在のため、エンバーは家族と住むファイアタウンから外の世界へ出たことがない。
一方でウェイドは、優しい心の持ち主であり固定概念にとらわれない柔軟な考えを持っているため、もちろんエンバーに対しても対等であり、自然と彼女にとっての新しい世界を見せてあげる存在となっていく。
エンバーがウェイドと偶然出会い、新たな文化や世界の広さに触れるうちに、まるで“化学反応”のように自分の可能性や自分の内に秘めた思いに気付き始める。自身のアイデンティティや親との関係性に向き合い、心寄せ合うウェイドと共に歩もうとする…そんな彼女の成長が描かれている。
監督を務めるピーターは韓国人の両親を持ち、アメリカ・ニューヨークで育った移民2世。ニューヨークの街に佇むアパートには各部屋ごとにさまざまな文化があり、多様な人種が暮らしている。学生時代に習った元素の周期表が、まるでニューヨークのアパートのように思えたと語るピーターは、当時その元素をキャラクター化させて楽しんでいたと話しており、まさに映画の原点だったと本作のドキュメンタリーインタビューで明かしている。
また、これまでの作品でも自身の経験からインスピレーションを受けてきたというが、ここまで個人的な思いを表現した作品は初めてだと話す。
実は彼の父親もニューヨークで食品店を営んでいた経験を持ち、ピーターも学生の頃はエンバーのように店の手伝いを始めていた。現在もその流れが残っていると思うが、当時の韓国は長男が家業を継ぐとされていたため、韓国家庭の長男として育った彼は将来的に店を継ぐ役割を担うはずだったそう。
彼の話を聞き、あらためて作品を見ると、随所に両親の面影や自分とのエピソードが本作の着想になったのだと気付かされる。
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