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モーニング娘。石田亜佑美が語る“ザ・つんく♂”の伝統曲とオリジナルの継承 卒業の譜久村は「柔らかくて温かい愛の人」

2023/11/11 10:00

モーニング娘。'23の弓桁朱琴、石田亜佑美、井上春華(左から)
モーニング娘。'23の弓桁朱琴、石田亜佑美、井上春華(左から)撮影:鈴木康道

今年、結成から26年目を迎えたモーニング娘。10月26日には通算73枚目となるトリプルA面シングル「すっごいFEVER!/Wake-up Call~目覚めるとき~/Neverending Shine」をリリースした。今作は11月29日(金)をもってグループを卒業するリーダー・譜久村聖のラスト参加シングルであり、5月に加入した17期メンバーのデビューシングルにもなる。「モーニング娘。らしさと新しさが1つになったシングル」と話す石田亜佑美は、12年間、譜久村と共に歩んできた年長メンバーの1人である。譜久村の卒業に、今どのような心中でいるのか。17期メンバーの井上春華弓桁朱琴と共に、今回のシングルと譜久村ラストへの想いを聞いた。

譜久村聖のモーニング娘。への柔らかくて温かい愛


――井上さん、弓桁さんにとってはこれがデビューシングルです。収録曲への印象、レコーディングエピソードから教えてください。

弓桁:「Neverending Shine」は譜久村聖さんのソロ歌唱で、私たちはワンフレーズを数か所歌うのですが、私はそのワンフレーズを録るのにかなり時間がかかってしまいました。「愛もある」とコーラスする場所が3箇所。最初、それを全部同じ風に歌ったら、「それは違うよ」と指摘されて。オーケーをいただくまでけっこうなテイクを繰り返して、それは大変というか、新鮮な体験でした。

モーニング娘。17期メンバー、弓桁朱琴。17期にとってはデビューシングルになる
モーニング娘。17期メンバー、弓桁朱琴。17期にとってはデビューシングルになる撮影:鈴木康道


石田:そんなことがあったんだ。何が違うってことだったの? 前後の歌詞が違うから歌い方も変わるっていうこと?

弓桁:そうだと思います。私はリズム、メロディー、音程を揃えて歌うものだと思っていたからどう歌い分ければいいのかが分からなくなってしまって。「ちゃんと譜久村さんのことを考えたら感情も変わるでしょ」と、そう指摘されました。

石田:ハルさん(井上)はどう? レコーディングで何かあった?

井上:「Wake-up Call~目覚めるとき~」で、「かわいく カッコよく あざとく 妖しく」の歌詞のとき、ただ歌うだけでなく、表現もしながら歌ってみたらとアドバイスをいただいて。レコーディングなのにポーズをしながら歌ってみたのが楽しかったです。

――「Neverending Shine」は譜久村さんの卒業ソロ曲と言っていいと思います。聴いて、どんな気持ちになりましたか?

石田:実はこの曲、初めて聴いたのがレコーディングのときでした。普段は仮歌を聴きますが、今回は先に録っていた譜久村さんの声を流していただいて、「ああ、譜久村さんだなあ…」って思いながらレコーディングしていました。譜久村さんがモーニング娘。にかけてくださっていた、柔らかくて温かい愛が声からたくさん伝わってきて。私は譜久村さんの柔らかい歌声が大好きで、その歌声が凝縮されているのが聴いていてすごく気持ちよかったです。それと、歌詞。とても大きな愛を歌っている曲で、譜久村さんはモーニング娘。への愛の気持ちで歌ったと話してくれましたけど、ファンの方は自分の色々な気持ちを乗せて聴いてくださるのもいいと思います。自分の大切なものに対してや、仲間を想ってとか。きっと胸がぎゅっとなるんじゃないかと思います。

モーニング娘。17期メンバー、井上春華。今回はちょっと緊張気味。石田亜佑美いわく、時間がゆっくり流れている女の子
モーニング娘。17期メンバー、井上春華。今回はちょっと緊張気味。石田亜佑美いわく、時間がゆっくり流れている女の子撮影:鈴木康道


――井上さん、弓桁さんはこのシングル、他にどんな感想がありますか?

弓桁:「Wake-up Call~目覚めるとき~」はラップパートをいくつかいただけて、そのレコーディングがものすごく楽しかったです。ラップを歌うのは初めてでしたけど、歌割を知ったときは「よっしゃ!」ってなりました。「Neverending Shine」はレコーディングでは一応オーケーをいただきましたけど、自分としては全然ダメなので、コンサートを重ねて、譜久村さんと目が合ったりするときにどんどん完成していくのかなと思っています。

井上:私は石田さんと同じ気持ちで、「Neverending Shine」は譜久村さんの声を聴きながら歌えたので気持ちを込めやすかったです。

伝統と新しさで聴かせるシングルの2曲


――通算73枚目のシングル。モーニング娘。にとってどんな作品になったと思いますか?

石田:この14人で出せる最初で最後の1枚だという意気込みは曲をいただいたときからあって、特に「Wake-up Call~目覚めるとき~」の仕上がりを聴いたときはなおさらそう実感しました。17期2人の声も今までにない素材として使われているし、私自身だったらラップパートで個性を出せているし。「かわいく カッコよく あざとく 妖しく」の全部が「このメンバーだよね!」という解釈が一致する曲でした。今の14人だからこその曲だと思うし、シングル全体も「これがモーニング娘。だな」という部分と新しい部分があって、それがこの14人で出せたというのが私は嬉しいです。

―― “らしさ”と“新しさ”は、どんなところに感じましたか?

石田モーニング娘。らしいのは、やっぱり「すっごいFEVER!」ですよね。もう聴いた瞬間、「ザ・つんく♂」だと思う曲。ディスコっぽくて、ファンクな曲で、すごく楽しい雰囲気ですけど、歌詞がちょっと辛辣。それでいてアイドルだったら共感できる言葉も詰まっていて、「青春全てをかけること あんた知ってるかい?」というのは私たちだから歌えると思っています。私はもう、人生の半分がモーニング娘。ですからね。そういったファンクな楽しさの裏に隠れている違う意味というのは「LOVEマシーン」を振り返ってもそうで、あれも世界平和を歌っている壮大な曲ですが、ヘンテコな振り付けが強烈すぎて、楽しい曲として入ってくるんですよね。表の楽しさに隠れた本当のメッセージというのはモーニング娘。の曲の伝統だと思うので、その“らしさ”が詰まった曲だなという印象です。逆に「Wake-up Call~目覚めるとき~」は今風というか、過去曲をオマージュしているようなところに歴史を感じつつ、最近は確かになかった曲だよね、という違いは感じます。

――モーニング娘。の伝統で、石田さんからはどんなことを教わっていますか?

井上:振り付けについてはよく教えていただいています。形だけでなく、オリジナルの振り付けの意味を教えていただけるのは本当にタメになります。

モーニング娘。10期メンバー、石田亜佑美。先輩たちがそうしてきたように、後輩たちにオリジナルを継承していきたいと話す
モーニング娘。10期メンバー、石田亜佑美。先輩たちがそうしてきたように、後輩たちにオリジナルを継承していきたいと話す撮影:鈴木康道


石田:よく言われるルールや伝統は羽賀ちゃん(羽賀あかね。17期の教育係)から教わると思うから、私はそういうところで力になってあげようかなって。やっぱりオリジナルの振り付けの意味は、当時、先生から直接習ったメンバーがちゃんと伝えていかないといけないんですよ。例えば「What is LOVE?」の振り付けは、実はカマキリの動きをテーマにしている、とか。映像だけでは分からないこともあって、それはちゃんと先輩が後輩に。私たちもそう教えてもらってきたので、途切らせないように伝えていきたいと思います。

――ハロプロのリズムや歌唱というのも?

石田:ですね。最初に基礎レッスンで叩き込まれます。そのあとは楽曲パフォーマンスの中でリズムの入っていない歌い方やダンスをしていると、気付いた先輩が指導します。

弓桁:この間は北川莉央さんに教えていただきました。声の上げ方のリズムや子音を強く発音するとか。実際に一緒に歌ってくださって、分かりやすかったです。

石田:そういう感じで、誰ではなく、みんなで教えています。

下に続きます
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  • モーニング娘。'23の弓桁朱琴、石田亜佑美、井上春華(左から)
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  • モーニング娘。10期メンバー、石田亜佑美。先輩たちがそうしてきたように、後輩たちにオリジナルを継承していきたいと話す
  • モーニング娘。10期メンバー、石田亜佑美。卒業する譜久村聖とは12年、活動を共にしてきた
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