世界最長のSFドラマシリーズとして知られる「ドクター・フー」の60周年を記念した3つのオリジナルスペシャルエピソードが、11月26日に配信された「ドクター・フー:スター・ビースト」を皮切りに3週連続で登場する。今回のスペシャルエピソードで“14代目ドクター”を演じるのは、2005年から2010年まで10代目ドクターを演じたデヴィッド・テナント。“歴代最高のドクター”として「ドクター・フー」ファンの中でも人気の高いテナントの復帰が新作への期待感をより高めることになり、配信されるや“フーヴィアン”(=ファン)を中心に「やっぱり最高!」「待ってました」などと話題に。SNSの世界トレンドランキングで1位になるほどの大きな反響となった。そこで、第2弾の配信を前に14代目ドクターを務めるテナントのこれまでの活動などを振り返ってみたいと思う。(以下、ネタバレを含みます)
「ドクター・フー」は1963年11月にイギリスのBBCテレビで放送がスタートし、1989年12月をもって最初のTVシリーズが終了。1996年に単発のTV映画として復活し、2006年に連続ドラマの新シリーズが始まった。“ドクター”と名乗る異星人が地球の仲間と一緒に時空を自由に行き来し、その道中で遭遇する外敵侵略やタイムパラドックスを防ぐために奔走するSFアドベンチャー。その時空の行き来には“ターディス”というポリスボックス(警察に通報することができる公衆電話のブース)型の装置が使われている。
60年に及ぶ長い歴史があるシリーズということで、旧シリーズではウィリアム・ハートネル、パトリック・トラウトン、ジョン・パートウィー、ピーター・デイヴィソン、コリン・ベイカー、シルベスター・マッコイ。新シリーズではクリストファー・エクルストン、ピーター・カパルディ、ジョディ・ウィテカーなど、“ドクター”役に多くの人気俳優が起用されてきた。2024年にスタートする新シリーズの15代目ドクターはチュティ・ガトゥが務める。
“14代目”としてドクターに復帰したデヴィッド・テナントは、1971年4月18日に英国・スコットランドで生まれた。3歳の時に「ドクター・フー」にハマり、俳優を目指すきっかけとなったのは“運命”としか思えない。11歳の時に初舞台を踏み、「ロイヤル・スコティッシュ・アカデミー・オブ・ミュージック・アンド・ドラマ」に通い、16歳の時にイギリスのTVドラマにゲスト出演。同年、「英国王立スコットランド音楽院」に史上最年少で入学するなど、すでに才能が開花し始めていた。
卒業後はロンドンに拠点を移し、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに在籍。舞台とTVドラマに出演し、1994年放送のTVドラマシリーズの「Takin’ Over the Asylum」で初レギュラーを獲得。双極性障害を患う“キャンベル”という役を演じた。
映画デビューは1996年に公開されたマイケル・ウィンターボトム監督の「日陰のふたり」。トマス・ハーディの「日陰者ジュード」が原作で、ヴィクトリア朝時代のイギリスが舞台の作品だった。主人公ジュードに頭脳で勝負を挑む酔っ払いの大学生役で、役名はなかったが、ジュードを演じたのが後に9代目ドクターとなるクリストファー・エクルストンというところにも「ドクター・フー」との縁を感じる。
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