入山杏奈&高柳明音「あの時代があるから頑張れた」48グループで培った強靭なメンタル

入山杏奈、高柳明音撮影:山田健史

同じ役を演じる2人、互いの演技を見て涙


――Wキャストで出演するにあたって、互いにやりとりする機会も多いのでしょうか?

入山:常に情報共有をしています。

高柳:脚本にどんどん変更点が出るんです。せりふが変わったり、カットになる部分があったり、増えた部分があったり。

――お互いのお芝居を見る機会もありますか?

高柳:先日の大阪公演は、昼に杏奈ちゃんが出演して、夜公演に私が出演する日だったので、少し早めに入って杏奈ちゃんの公演を見てから自分の公演に出ました。せりふも動きも全部分かっているはずなのに、最後にはボロボロ泣いていました。

入山:私は本番をまだ見られていないんですが、稽古場で見ただけで私も泣いていました。

高柳:一度物語を知った上で見ると、初見では笑えるシーンがグッときたりするんです。

入山:本当は泣きどころじゃないようなところでボロボロ泣いたりしていましたね(笑)。

――大阪公演からは主演が永井大さんに変更となりました。作品への影響は大きかったですか?

高柳:とても変わりましたね。

入山:「お芝居ってすごく人柄が出るな」と感じました。永井さんの演じる純ちゃん(高槻純二役)は、より愛に満ちている感じがします。永井さんご自身の人生経験が反映されているところもあるのかもしれませんが、やっぱり違いますね。永井さんってちょっと純ちゃんっぽいところがあるような気がするんです。

高柳:永井さんに決まった時、私が30代で杏奈ちゃんは20代、永井さんは40代なのでどう見えるんだろうということもあったんですけど、すごく若々しい方なんです。純ちゃんって、30代前半か半ばくらいの設定だと思うんですが、全然違和感なかったですね。

入山杏奈出演の舞台「晩餐」より(C)岩田えり ※提供写真


未来と過去、行くとしたらどっち…?


――この作品にはタイムマシーンが登場しますが、お二人は未来と過去、どちらに行ってみたいですか?

入山:私は過去ですね。未来は楽しみにしていたいので見たくないです。「自分の選択がこのゴールに向かっているんだ」と思いたくないんですよね。過去だったら、もう会えなくなってしまった人に会えたりもすると思うので。

――どの時点の過去に行ってみたいですか?

入山:子どもの頃ですかね。私、父が去年亡くなったんです。だから、自分の父に会いに行きたいという思いがすごくあります。小学生とか中学生くらいの時には反抗期であまり仲良くなかったりもしたので…(笑)、それ以前の時代に戻ってみたいです。

高柳:私は反対に未来ですね。過去に戻って自分が何かをしたことで、今が変わるのが怖いんです。だから、私は未来をゴールと思わず、より良く変えられる可能性があると思って行く気がします。例えば、もし地球がどうにかなっちゃうとしたら、今を必死に生きようと思うだろうし。

高柳明音出演の舞台「晩餐」より(C)友澤綾乃 ※提供写真


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