――そして豪華なキャストが揃いました。
「そこは、荒木先生が人生を賭けて線と活字で描いてきた宝物『ジョジョの奇妙な冒険』があるからこそですよ。この漫画の凄さが山崎賢人、新田真剣佑との新たな出会いを導いて、神木隆之介、山田孝之を引きずり込んだ(笑)と思っています。しかも、この漫画は実写化していく間も強烈な軸になってくれました。映画的に“今はこういうストーリーのほうがウケる”“ビジュアルはこうしたほうが時代に合う”という声に全くブレなかったというか。漫画の第4部が登場した瞬間の空気を描き出せたと思っています」
――『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』の空気感には、ロケ地であるスペイン・シッチェスの町の影響も大きいですよね?
「そうですね。ジョジョを撮るために1カ所に集まったキャストやスタッフが一緒に晩メシを食べて、朝が来たら現場に入っていく。役者は東京にいる時のように日常に戻ることなく、仗助は仗助、形兆は形兆のまま過ごしていたと思います。それが世界観の構築に繋がって、完成した作品の中でもキャストが背景とハマって見えた理由じゃないですか。しかも、役者同士はいい距離感を保ちながら、ライバル心を抱いて、現場では魂の闘いの見せてくれましたね。
――続編も気になりますが。
「普通、漫画の実写化では短くても単行本4巻分のエピソードを2時間で描きます。でも、この映画は第4部の単行本1巻と20ページぐらいかな。それなのに内容は盛りだくさんでしょ。『ジョジョの奇妙な冒険』という漫画には、ほかの漫画にはないテンポがあるんですよね。多分、漫画を読む時間とそれを実写化した映画の上映時間が一緒なんじゃないですか。これは漫画実写化初だと思います。そういう意味では実写化できる物語はまだまだあります。ただ、これから続くかどうかは漫画が読者によって続いていくのと同じように、観客が最終的には決めるものだと思っています」
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