12月14日、都内にて映画「身代わり中心蔵」(2024年2月9日[金]全国公開)の完成報告会見が開催され、俳優のムロツヨシ、永山瑛太、原作・脚本を手掛けた土橋章宏氏、河合勇人監督が登壇した。
ムロツヨシ、41歳になった永山瑛太を祝福
ムロは、主人公・吉良孝証(きらたかあき)とその兄・吉良上野介(きらこうずのすけ)を演じる。ムロは数々の時代劇作品に出演しているが、1人2役に挑むのは今作が初。また、プライベートでムロと親交が深く、映画としては20年ぶりの共演となる永山が、バディ役・大石内蔵助(おおいしくらのすけ)として出演している。
トークセッションに入るまでの準備時間に、ムロが「12月13日、永山瑛太くんの誕生日です! おめでとうございます。41歳になりました」と、会見前日の永山の誕生日を発表。永山は「そうだねー。去年の40歳の誕生は現場で迎えてみんなに祝っていただきました」と話し笑顔を見せた。
MCから、脚本を読んでみた感想について聞かれた永山は、「ムロくんのパワーも全開で、誰も止められない天才性も感じました。ムロツヨシという俳優がこの時代に必要なんだなと心から感じました」と絶賛。
これに対して、ムロは「うれしいです。そういう思いがあることも撮影中に伝えてくれましたし。
こうしてお芝居を通して思いをぶつけられる機会はとてもありがたいです」と返し、「この20年はこっ恥ずかしいような会話をしてなかったものですから。お芝居を通して『幕開けだ』というせりふを一緒の場で言えたことは印象的です」とコメントした。
続けてムロは、「幕開けだ」という孝証と大石が船に一緒に乗るシーンについて「大石と2人で船に乗って、『身代わりをするぞ』という自分たちの企みを始めるときのシーンはすごく印象的。バックがCGでセットの中で撮ってるんですけど、スタッフさんの前で撮ってるというのが舞台っぽくもあって、逆にすごく思いが出てきたと言いますか。滅多にない高揚感がありましたね」と振り返った。
永山瑛太「俳優・ムロツヨシやっぱりすごくいいな」
改めて、20年ぶりの共演について問われたムロは「まずは緊張しましたね。だけど、2人で酔っぱらって歩く(シーン)だとか、身代わりではない孝証として会話していくうちに、変わらないものもあってうれしかった。ただ、パッと横を見たときにかっこいいなーって。家族を持ったりだとか、僕の知らないシワがね。僕の知らない感動だとか、持ってるんだと。うらやましいというよりは憧れ」と、永山の横顔から読み取ったものを伝えた。
一方、永山は「ムロくんはやっぱ色気があると思いました。それは出来上がった作品に映っていて、そういう意味では照れくささが僕の中にもあったというか。いい男だったんだって(笑)」と言うと、ムロは「気持ち悪い! 文章にしたらただ2人が褒め合ってるだけで(笑)」と照れていた。
共演シーンで特に印象に残ってるシーンについて、永山は「全体的にコメディ要素やライトに描かれている部分もありながら、終盤に2人で目を見つめ合って、ある覚悟を決めなければいけないという重要なシーンがあるんですけど、20年前に出会っていろいろムロくんが僕とは全然違う道を歩いてきたうえで、こう巡り合えたんだな、俳優・ムロツヨシやっぱりすごくいいなーと本当に感じてしまった」と回顧。
さらに永山は「心がウワァーってなにかが溢れてしまうんじゃないかというシーンがあったんですけど、2人でご飯に行ったとしても、あんまり面と向かって話せないんですよね。いつも横にいてぼそぼそ話してる。そういったところがあって、その(向かい合う)シーンが生まれたのは良かったと思いますね」としみじみ話した。
◆取材・文=後藤響平