女優の内山理名が、石川の老舗旅館「赤木箱」を舞台に、宿を営む家族や宿泊客など、“あの時、伝えられなかった思い”を抱える人々が、時を超えて家族の絆を取り戻す姿を描く、ヒューマンファンタジー映画「ゆらり」で、岡野真也とW主演を務めることが分かった。
内山は「過去・現在・未来を交差する中で大切な人に伝えられなかった想いを伝えていく物語。最初本を読んだ時、涙が止まりませんでした」と、本作の印象を明かした。
本作は、お笑い芸人として活躍後、放送作家に転向した経歴を持つ注目のクリエーター・西条みつとしが主宰する劇団「TAIYO MAGIC FILM」にて、2013年の上演より好評を博し、再演を熱望されていた舞台の映像化作品。西条の絶妙なコメディーセンスと優しさが詰まったハートフルな家族の物語となっている。
舞台「ゆらり」は、2015年6月には待望の再演が決定し、わずか10日間の公演で2000人以上を動員した。映画の脚本も西条が手掛け、舞台の感動をそのままに切り取って映画化。時を超えて受け継がれる家族の愛をつづる。
西条も映画化に当たって「TAIYO MAGIC FILMの舞台作品が、映画になる事が素直にうれしいです。そして、映画になることで、ゆらりというお話が、さらにたくさんの人たちに見ていただけるのが、本当に幸せです」とコメントを寄せている。
また、監督はドラマやMVを多数手掛け、本作が劇場映画初監督となる横尾初喜。初演観劇後の興奮冷めやらぬ中、西条に「ぜひ実写(映画)化したい」と熱望したという横尾の念願の映画監督デビュー作となる。
そんな本作において、「現在」のシーンで岡野が演じるのは、老舗旅館「赤木箱」の女性主人・泉凛香。岡野は「大変照れ臭いことですが、正直に告白します。撮影前に娘・岡野真也のことを母に尋ね、ロケ先には家族の写真と、母からの手紙を持参していました。つまり、今回演じた役は母と二人で創りました」と、役作りについて明かした。
4月期に放送された連続ドラマ「ボク、運命の人です。」(日本テレビ系)での、癖のある元気娘役も話題になった岡野が、新たな一面を見せる。
そして「未来」のシーンで内山が演じるのは、凛香の娘でシングルマザーとして一人息子を育てる木下ゆかり。西条の脚本について「トリックのようになっており、1ページ進んでは1ページ戻り…と、とても楽しく読ませていただきました」と印象を語り、「きっと、そんなふうに“西条さんマジック”にかかりながらいつの間にか涙あふれているのではと。とても好きな世界観の映画です」と、本作の魅力を語った。
本作はことしの11月より、池袋シネマ・ロサほか全国で順次公開される予定。
なお、内山が映画主演を務めるのは2010年公開の「遠くの空」以来約7年ぶり。くしくも来年5月には、「ゆらり」と同様にシングルマザー役で主演を務める映画「single mom 優しい家族。」の公開が控えている。
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