――黒見さんがいつもレギュラーコーナーで行っている“今週の推し選手”。今回は五十嵐さんと共に2023年の総括と、来年への期待としてお願いします。
五十嵐:誰がいいかな。大谷翔平選手はもちろん文句なしでしたが、敢えて日本人選手にするなら、千賀滉大投手ですかね。MLB1年目で12勝して新人王の候補にも挙がりましたよね。ニューヨーク・メッツは今年の夏に主力メンバーを放出して、来年いろいろな補強をするにしても、すでに千賀投手はエースという立ち位置になると思うんです。1年目っていろいろと分からないことが多い中、この成績は見事でしたね。来年は多分立場も変わって完全なる中心選手として過ごす1年だと思うんです。ボストン・レッドソックスの吉田正尚選手ともども、実力を証明できた年だと思うので、来年はさらに楽しみですね。
黒見:千賀投手はフォークが持ち味でしたが、最近のMLBは落ちる系の球よりもツーシームとかシンカー系のボールが武器になっているとお聞きしたのですが。
五十嵐:まあ両方ですね。いいピッチャーはスライダー系を投げる投手が多いですが、一つウイニングショットを持っているのはデカい。あとは認識の違いもあるかも。シンカーって昔はツーシームと言われていたし。それがちょっと沈むだけでシンカーって言われたりするから、選手によって球種というのはおなじボールを投げていても変わってきますよね。
黒見:ウイニングショットという意味で、今永昇太投手の三振がとれるスプリットがMLBでどう通用するのかが興味あります。千賀投手のフォーク的な武器になるのかなと期待しています。
五十嵐:確かに武器になるかもしれませんね。でも千賀投手も、もちろんフォークも良かったのですが、途中でカットボールを覚えたんですよね。カットボールを使い始めてから、打者が絞りづらくなって結果がどんどん良くなっていった。今永投手のスプリットは素晴らしいのですが、もう一つ、二つ相手に意識させるボールがあれば、より生きてくると思います。
黒見:2桁勝利はできそうですかね。
五十嵐:チームにもよると思うけれど、なかなか1年目で2桁勝利というのはかなりハードルが高いかな。
黒見:MLBはパワーも違いますしね。キャッチャーとの相性も重要になってきそうですね。配球はどちらが主導権を取るのですか?
五十嵐:最初は任せるしかないでしょうね。もちろん日本での実績はあるのですが、やっぱり相手へのリスペクトは必要ですからね。チーム側も「この新人はどこまでやれるんだろう」って見極めてくるところはあるので。今永投手もそういう環境からどこまで信頼を勝ち取っていくか……。その意味で、「ABEMA」でMLBの解説を1シーズン経験した来年の黒見さんにも期待ですね。
黒見:師匠の期待に応えられるように頑張ります!
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