山口の助言で、花織の生前の言葉を思い出す浩平
一方、恵太の決意を聞き「歓喜の歌」の楽譜を渡された浩平は、今まで以上にピアノの練習に力を入れる。
クリスマスイベント前日、「セラヴィ!ケイ」に浩平のウィーン時代の恩師・山口梨沙子(名取裕子)が訪れる。そして浩平がピアノを弾き始めるとすぐに止め、「失敗を恐れるあまり、もっとも大切なことを忘れてるんじゃない?」と釘をさす。
大切なことがどんなことか分からない浩平に、山口は“自分で見つけるしかない”と伝えると、浩平は「僕はピアノを続けます」「絶対にやめません」と宣言。すると山口は去り際に、花織が言ったことを思い出すよう浩平に助言するのだった。
その後浩平は花織が生前「テクニックではない、心のこもった演奏が必要だ」と口癖のように話していたことを思い出す。そして恵太も、“ピアノにこもっている花織の魂が見守ってくれるはずだ”と浩平を励ますのだった。
花織の言葉を力に変える恵太
クリスマスイベント当日、お店には多くの人が集まり浩平の演奏に聞き入っていた。すると山口も店にやって来て、山口のコンサート以来となる“2人での連弾”が始まる。花織の言葉を思い出した浩平は前回失敗した部分も難なくクリアし、浩平の顔にはようやく笑顔が見られた。
演奏後、山口はトラウマを乗り越えた浩平に「失敗を失敗のまま終わらせず乗り越えれば、それは大事な経験になる」と伝えるのだった。
イベントを終えたその夜、恵太は花織の幻影に、メモを見せながら「花織に誇れる人生になるよう歩んでみる」と前向きな気持ちを見せる。それに対して花織は安心したような表情で、「あなたに出会えて素晴らしい人生だったわ」と感謝を伝えた。
そして“店を1人でやっていけるか不安だ”と話す恵太に、「私が何と答えるか、あなたは分かるはず」「だって私の言葉はあなたの心の声なんだもの」と微笑み、「あなたはもう大丈夫」と言って花織は恵太の前から姿を消す。花織の幻影との別れに涙を流しながらも、恵太は「俺は、大丈夫」と自分に言い聞かせるように呟くのだった。
その後、浩平はウィーンへ戻り、「セラヴィ!ケイ」もストリートピアノを残したまま再開する。そしてラストシーンでは、花織と自分自身の夢を叶えるため、恵太がパティシエ見習いの美歩と共に再スタートを切る様子が描かれ幕を閉じた――。
これまで花織の幻影と会話を重ねていた恵太。しかし同話では、花織からの言葉は“恵太自身の心の声”を現したものであったことが判明した。そして花織の幻影との別れのシーンや、浩平が過去にトラウマを克服するシーン、さらには各々が前を向いて歩み出すシーンなど、多くの感動や勇気をもらえるエピソードとなっている。
最終話となる「商店街のピアニスト 永遠の調べ」第12話は、「BS松竹東急オンデマンド」で12月30日(土)夜10時59分まで無料見逃し配信中。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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