時代劇俳優の里見浩太朗が出演する「号外!日本史スクープ砲 黄門様降臨!里見浩太朗と学ぶ“徳川15代将軍大解剖”スペシャル~なぜ江戸幕府は260年以上も続いたのか?」(夜7:00-、BS松竹東急<全国無料放送・BS260ch>)。2週連続年末スペシャル番組として、12月23日の放送(※BS松竹東急オンデマンドにて無料見逃し配信中)に引き続き、12月30日(土)に後編が放送される。番組収録直後、里見浩太朗に“徳川幕府”のこと、番組の見どころ、時代劇の魅力などについて話を聞かせてもらうと…代表作の一つである「水戸黄門」のエピソードや、現代における時代劇の魅力、役者人生での“誇り”など、貴重な話が飛び出した。
――265年も続いた長い“江戸時代”を振り返る内容の収録が終わりましたが、いかがでしたか?
僕もこれまで将軍様を演じたことがあります。しかし今日初めて、その徳川家の政治のあり方を、映画やテレビではなく、本当の歴史の中でどういう考え方をしていて、どうのし上がってきたのか、どうやって自分の地位を守っていたのかがよく分かりました。
――新しく知ったことも多かったということですね。
はい。徳川家の政治というのは、自分のための政治ではなくて、庶民のための政治なんです。日本の各藩の殿様、藩主たちに何を教えて、そして藩主がまた領民に何を行ってきたのかがよく分かりました。およそ300年、戦争のない平和な時代が続いていたことを考えると、すごい政治家たちだったと思いますね。
――江戸時代のことを知ってそうで知らないことが多いというのは収録を見せていただいて実感しました。
将軍様は自分の立場を守りながら庶民の生活を考えていた。それから家来のことも、各藩の藩主のことも考えなければいけなかった。そういったことがとても難しかったと思います。
――これまで徳川家の人物も多く演じられてこられていますが、以前から役作りとして徳川幕府が栄えた要因などを考えて演じてこられたんですか?
自分が演じてきた将軍、自分が演じる役に関わる将軍について調べたりはしましたが、そんなに覚えられるものではないんですよ(笑)。歴史家の先生方が研究されて明らかになったエピソードの中で面白いものもたくさんありますが、調べるというのは本当に大変なエネルギーがいることだと思います。山手樹一郎さんや村上元三さんとか井上靖さんとか、物語を書かれる作家の方がいますよね。なので、その方々の作品を読むというのが手っ取り早く歴史を知ることができる方法なんです。作品を読むと実感します。小説家というのはものすごく膨大な資料を集めて勉強されたということを。そうじゃないと、役者の心も引き込んでいくようなあの言葉の流れは考えられません。
――江戸時代を舞台にした時代劇が多く作られてきたというのは、それだけ物語にしたい魅力的なことが多かったんだと思いました。
本当に一国の主によって人々の生活が変わってくるわけです。そこには悲劇もあり、喜劇もあり、苦労もあり、涙もあり。小さな藩にはお家騒動もあったりしますし、いろんなことを考えると、我々はその歴史家の作ったことによって出来事を知って、小説家が書いた物語によって演じることができる。そう考えるとものすごい努力だと思いますね。
――それは俳優としていろんな役に向き合ってきた中で実感されたことですか?
そうですね。僕ほどいろんな役をやらせてもらった俳優はいないんですよ。「年末時代劇スペシャル」では「忠臣蔵」の大石内蔵助に始まり、「田原坂」の西郷隆盛、「五稜郭」の榎本武揚、「樅ノ木は残った」の原田甲斐、「風林火山」の山本勘助。舞台では井伊直弼に豊臣秀吉、そして、徳川家康。本当にこんなにいろんな役をやった俳優はいないんです。それを僕は誇りに思っています。評価は別にして、“これだけのことをやらせてもらった俳優”だということを自分自身で誇りに思っているんです。
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