重岡大毅が主演を務める映画「ある閉ざされた雪の山荘で」が1月12日(金)に公開する。物語は高原の山荘が舞台。そこに集められたオーディションに合格した劇団員たち7人は、“雪に閉ざされた山荘”にいると想定して芝居を続けるが、そこで殺人事件が発生。はたして、これは本当に芝居なのか?本当の殺人なのか?トリッキーな世界観を持つ今作で主人公・久我和幸を演じたのは、重岡。全員役者で全員容疑者。登場人物ひとりひとりを疑いたくなる行動を繰り広げる難役に挑んだ重岡に本作とどのように向き合ったのか、語ってもらった。
――ある宿泊所に7人の劇団員たちが集められ、舞台の主演の座をかけたオーディションに参加することから始まる物語です。参加者たちはみんな、劇団「水滸(すいこ)」のメンバーで、重岡さんが演じる久我は、唯一の部外者という役を演じましたね。
全員が劇団「水滸」のメンバーの中で、唯一の部外者というのは、役を演じる上で良いとっかかりになりました。役者さんたちばかりの現場にアイドルをやっている自分が飛び込んでいくと、部外者みたいなものですからね。同じ劇団員ばかりの中で、役者として自分を出せたら、という久我の気持ちは、僕に上手くハマったなと思います。
久我にとって、「水滸」は、入りたい憧れの劇団なので、僕にとって、自分の力を試したい憧れの世界はどこなんやろうって考えて、役の環境や背景を“自分事”と重ねて行くというやり方で演じました。
――久我にとっては劇団「水滸」にあたる、重岡さんにとって憧れの世界は、どんなものをイメージしたのでしょうか?
音楽の世界ですね。自分よりも上の世界にいる憧れの存在って、音楽の世界には、もういっぱいいますからね。正直、歌い手として、すごいアーティストさんに認められたいなという気持ちがあるじゃないですか。例えば、「サザンオールスターズさんに認められたいな」とか(笑)。いろんなアーティストと同じ歌番組に出演した時は、「俺だって、できる!」みたいな気持ちがありますから。「水滸」のメンバーと同じ土俵で戦う中で、自分の持っている力を発揮しようとする久我の気持ちは分かります。
――間宮祥太朗さんをはじめとした同世代の役者が集結しての演技バトルの中で、自分も負けたくないというバチバチした気持ちはありましたか?
ライバル意識みたいなものは、なかったです。同世代だと比べられやすいですけどね。20歳の頃はあったかもしれないですけど、30歳前後になると、「この人にはこういう良い所があるよね」ってお互いのいい所を認め合える関係になりました。そもそも自分は、みんなと比べられる次元にいないですけど。
――とはいえ、この場面でこんな表情をするんだ…という演技合戦の中で、刺激を受けることはたくさんあったのでは?
それはもちろん、たくさんありました。宿泊所の中は群像劇でもあるので、突出した方が面白いじゃないですか。そんな中で、恋愛感情をこじらせたちょっと癖アリな田所を演じた岡山天音くんは、ビジュアルから突出していました。すごい前髪パッツンに短くしてきたから、僕もどういう風にしようかなぁと思いましたもん(笑)。みんなの写真を見て、髪型や服装は、こういう風がいいかもなって考えましたし。もう芝居をする前から、他の俳優さんたちを見て、「なるほどな」って思う部分がありました。
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