永野芽郁主演の月9ドラマ「君が心をくれたから」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系)は、“過酷な奇跡”が引き起こすファンタジーラブストーリー。1月8日に放送された第1話で、主人公の逢原雨(永野)は高校時代に自分の心を救ってくれた朝野太陽(山田裕貴)の命を救うために、あの世からやってきた案内人に自分の心を差し出す=五感を失うことを選択する。このため、第2話以降、雨は徐々に五感を失っていくことになる。1月15日(月)の第2話の放送を前に、太陽を演じる山田に、長崎でのロケや作品に対する思いを語ってもらった。
“あたたかい輪”のようなものを広げることのできる作品
――長崎ロケに向かう前の取材で、山田さんは「ただのラブストーリーだったら、この役を受けなかった」とおっしゃっていましたが、今作を“ただのラブストーリーではない”と感じたのはなぜですか?
“感じることの大切さ”を見直すことができる作品なのではないかと思ったからです。実は、一昨年ぐらいから自分の心を大切にしたいなと強く感じるようになっていたんです。この仕事をしていると、明るく元気な理想の山田裕貴像を求められがちですが、実は僕はわりと静かなタイプなんです(笑)。なので、そっちの時間が長いと、どんどん素の自分がいなくなる感覚になってしまうことがあります。もちろん番組やインタビューなどで話していることもうそではないですし、イメージを払拭したいわけでもないのですが。
その時に“人間が心健やかに生きるには、何が必要なのか?”と考えたり、“誰かに何かがあった時に見えない部分に何かあるのではないか?と察する心を養える作品があってほしいな”と感じたりしていたんです。以前、出演した「ここは今から倫理です。」(2021年NHK総合)のように。世界を変えたいとかそんな大それた話ではなく、良い心を持つ人がちょっとでも増えたらいいなという話なんですけど、今作も“あたたかい輪”のようなものを広げることのできる作品だと思ったので、33歳でも高校生を演じようと思いました(笑)。
みんなに好かれる太陽像を築くために心掛けたこと
――演じる太陽は、「私なんか」が口ぐせの雨の心を開いてくれるあたたかさのある人物ですが、演じる際に気を付けていたことはありますか?
雨ちゃんはこれから、徐々にいろんな感覚を失っていくのですが、太陽は自分のためだと気付かない期間があるので、「気付けよ、太陽」と感じる人もいると思うんです。でも、そう思わせないように、みんなに好かれる太陽像を築かなければいけなかったので、そこに僕の全人間力と全神経を注ぎました。そうしないと雨ちゃんが五感を失ってまで救いたいと思う関係性になれないので。だから、太陽は僕が理想とする人間像になっているのではないかと思います。
――今後、感覚を徐々に失っていく雨を見守る側として、難しいと感じることはなんですか?
太陽のことは僕が一番理解していると思っていますが、表現するのがどんどん難しくなると思います。人間は触覚を失うと立てなくなるらしいのですが、この先、触覚を失った雨ちゃんを見て、太陽としての僕はどうするのか?そして、それが自分のせいだと知る時がいずれやって来るわけですが、その時どんな顔をするのかは自分でもやってみないと分からないなと思っています。