――現在軸ではツラい展開が予想されますが、その分、甘く美しい高校時代の光景が胸に沁みます。1月15日(水)放送の第2話では、太陽が寝落ちした雨に電話越しに語るシーンが登場し、脚本を読むだけでも甘酸っぱさが伝わってきました。
あのせりふは現実だったら絶対に言うのは嫌ですし、20代だったら、こんなんやりたくないと言っていたかもしれないです(笑)。でも、この作品は別です!高校時代は二人にとって完璧な思い出にしないといけなかったので、よりいいシーンにしなければ!という思いで集中して演じました。
――約1カ月滞在した長崎ロケで、印象的だった場所を教えてください。
みっちり撮影していたので観光はできなかったのですが、今作は役名が雨と太陽というだけあって、夕日や朝日、晴れているのに雨が降る“天泣”のシーンなどを撮らないといけなかったので、空を含む長崎の景色が印象的でした。
――その長崎での撮影では、永野さんと息のあった撮影ができたそうですね。
長崎ロケでは、芽郁ちゃんと2人で“こんなにもシーンに入り込むことができるんだ!”と驚くぐらい、涙したシーンがたくさんありました。芽郁ちゃんとも話してたんですけど、一つも違和感を抱くことのない脚本だったからこそ深く入り込むことができたし、素敵なロケ地を舞台にスタッフ含めて全員が集中していたから、脚本以上のものを生み出すことができたのではないかと思っています。
――今作は雨や太陽の境遇を通じて、好きな人や家族など他者に向けての感覚に加え、自分の中の気持ちを見直すことができる作品にもなっているのではないかと思いますが、見る際に注目してほしいポイントはありますか?
この物語の中心にある関係は雨と太陽ですが、難しい間柄というのは恋愛関係だけじゃないですよね?仕事での関係や親子・家族関係など、いろいろあります。また、高校時代の自分と向き合ったりもするので、ぜひ家族で見てほしいです。特に後半は家族の話になり、感覚を失う雨を見守る側の人々はどう寄り添うのがベストなのか?というようなこともすごく考えさせられると思うので。ほかにも太陽に対する父親の深い愛情や優しさ、おばあちゃんの雨への思いなど、いろんな愛が多角的に描かれるのでそういう部分にもぜひ注目してほしいです。
――最後に、心を差し出すことについて、山田さんご自身はどう思われますか?
この世に未練も後悔もなく生きていますから、差し出してもいいと思うほど大切な人がいたら、僕は迷いなく差し出すと思います。
取材・文=及川静
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