真和や絵里加、栞らは合コンという出会いの場に「めんどくさい」とそれぞれつぶやくシーンがあった。恋愛、結婚に前向きな雄馬や奈美を除き、仕事や家族問題などに追われる日々の中でリアルな感情の一つだ。便利なスマホで簡単につながれる現代だが、彼らの人生は合コンを約束したことをきっかけに動き始める。
合コン当日、多聞と栞は仕事が終わらず、絵里加は家族の問題が起こり、真和は約束の店の前で男性とトラブっていた愛と再会して、それぞれ不参加に。雄馬と奈美のみが会うも、お互い理想の相手とはいかなかったようだ。それでも雄馬は、奈美が「ありのままの郷さんを受け入れてくれる人はきっといます」と言ってくれたことが心に残った。
真和は、再会した愛がピアニストを夢見ていたころの輝きをなくし、酒と男に溺れる日々を送っていることを知るが、逆に愛からも「いつまでも夢追ってる場合?」と言われてしまう。
一方、絵里加と栞は、後日、奈美に言われたことをきっかけに恋愛、結婚に目を向けるように。多聞のことが前から気になっていた栞は、多聞と食事の約束を。また、絵里加はマッチングアプリに登録してみると気が合う人が見つかり、それが偶然にも真和だった。
絵里加と会った真和が語った「いつか自分のことを分かってくれる人が現われて、と思いたいけど、時間だけがどんどんたって、自分だけが取り残されそうで。後悔だらけの過去と不安だらけの未来に胸が押しつぶされそうになる」という言葉。アラサーを迎えた人々の焦燥感を表す、等身大の思いだ。
また、多聞の「恋愛なんて世の中からなくなったほうが、世界が平和になると思わない?」というのも一理あるかもしれないが、栞の「けど、すごく退屈な感じがします」というのもやはりそうなのだ。
それぞれが抱いている思いが描かれた第1話。自分が書いた脚本を読んで感動してくれた絵里加に思わずキスしてしまった真和は怒られ、モノローグで「今日も俺たちは人との距離を縮めることに失敗し、ひとりぼっちでこんなことしかできないでいる」とつぶやいた。
人とつながることはやっぱりちょっと難しくもある。そんなひとりぼっちの7人が「あぁー、もう!」と一人叫ぶ姿は、いつかの自分を思い出させるようでもあった。そのなかで真和だけはちょっと時間をさかのぼった「あぁ!」だったのはクスっと笑えたし、真和のかわいい人となりが垣間見えるシーンでもあった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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