永野芽郁“雨”が名前の由来を知る…親子再生への一歩と声の“温もり”が涙を誘う<君が心をくれたから>

2024/02/13 11:15 配信

ドラマ レビュー

「あなたならきっと立ち向かえる」


その後、雪乃は亡くなった。旅行の帰りに「自分のことを愛しなさい」、そして「今度こそ、雨のお母さんになってあげてね」と霞美に伝え、雨には小学生のときに交換日記代わりにしていた思い出のボイスレコーダーにメッセージを残して。

ボイスレコーダーに録音されたメッセージを聞いていると、雨が降り出した。案内人の日下と千秋(松本若菜)が言っていた「人は死んだら、ほんのわずかな時間だけ雨を降らすことができる」「雨に心を込めて大切な人に思いを届けるの」。その時間がやってきたのだ。

「ばあちゃんの声に触れたら、なんだかギュって抱きしめられてるみたいだ」という雨のモノローグ。それと共に現れた雪乃の幻影が雨を抱きしめながら「人生って残酷ね。いつもつらいことばっかり。でも、あなたならきっと立ち向かえるわ。大丈夫、雨は強い子だから」「だからつらくても苦しくても一瞬一瞬を大切に生きてね。そうすればきっと出合えるはずだから。幸せだなぁって心から思える瞬間に」と語った。

第6話のサブタイトルは「声の手ざわり」だった。声から温もりを感じるというのは触覚に通じるようでもあるが、雨がそれを失う日は近い。また、やがてはその声が届く聴覚さえも。それを思うと悲しく、見越した雪乃のメッセージが胸に迫り、涙を誘った。

母と親子の再生へ一歩を踏み出した雨。そして、そばにいてくれる太陽の存在がある。そこに希望があると信じたい。雨は太陽に「今日から私のこと、雨って呼んで」と願い、太陽がぎこちなく呼びかけて、2人で笑い合う様子があまりにも幸せそうだったから。

◆文=ザテレビジョンドラマ部