――2015年から参加されている「せつめいテクネ」のコーナーで、小林さんの制作に生かされたものなどはありましたか?
あります! あります! コーナーの中で12種類の映像技法を説明しているんですけど、僕自身も勉強しながらやっていました。なんか学校に通ってるみたいで楽しかったです(笑)。
――映像のための小道具や、いろんなところに気が利いた装飾が施されているコーナーですよね。
そうですね。「せつめいテクネ」の「シンクロ」という映像では、音がテーマだったので、小道具で使う箱の表面に、楽器模様の包装紙を買ってきて貼ったり。もうとにかくアイデアを可能な限りぶっこんでますね。
――小林さんの衣装にもこだわりがあるんでしょうか?
これは、スタイリストの伊賀大介さんがこの番組のために作ってくれた衣装なんです。袖を見てください。ボールが跳ねるアニメーションのようなデザインになっているでしょ?映像の番組なので、映像にまつわるデザインがいろいろ施してあって、襟の部分は、フィルムの縁をイメージしています。
あと黒いエプロンもセットになっているんですが、それには刺しゅうやプリントで四角がいくつか配置されているんです。それが、4:3だったり、16:9だったりと映像の画面にあり得る縦横比の四角でデザインされています。実はこのキャラクターには、みんなのアイデアがぎゅーっと詰まっているんです。
――今回からの新企画「コンテ・テクネ」では、さまざまなクリエーターの描いた絵コンテを紹介していますが、実際に企画に参加してみてどうでしたか?
僕自身も作り手なので、説得力を持って視聴者に紹介できたらいいなと思いました。「何がこのコンテの面白いところなのか」「なぜこの絵コンテからあの映像にジャンプすることがすごいことなのか」っていうことを、正確にお伝えしたいです。
――小林さんも絵コンテを描くことはありますか?
めちゃくちゃ描いてますよ! 僕の絵コンテの特徴としては、字も絵も多いってことです。たくさんの絵の周りに注意書きのような字も書いちゃうので。
映像作品は何人かのチームで作っていきますので、絵コンテはスタッフの皆さんに「あ、小林賢太郎はこういう意図でこういう画が作りたいんだ、じゃあこうだろう」って判断していただけるための材料作りだと思っています。なので、できるだけ丁寧に書き込むようにしています。
「東京五輪音頭 - 2020 - 」のミュージックビデオ制作でも、絵コンテをたくさん描いたので、そのうちどこかで紹介できたらいいですね。
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