“タワー”へ交渉に向かう明日葉と冬馬を待ち受けていたのは…
坪井たちは漆原がゴーレムウイルスを送り込み、“アンダー”を閉鎖しようとしていたことを知り、戦いを宣言する。しかし、“これ以上罪のない人の命を落としてはいけない”と説得する明日葉。そして父親の意思を継ぎ「私がタワーの代表になります」と宣言し、その意思の強さに坪井は納得する。
そしてダストシュートから“タワー”へ侵入した明日葉と冬馬は、さっそく漆原へ説得を始める。漆原が研究所から持ち出したウイルスをばら撒いたことを漏らさない代わりに、食料や衣料品などの物資の提供やレジスタンスとの休戦を交渉して、漆原は仕方なく承諾する。
やがてタワーの入り口に坪井たち“レジスタンス”が漆原との交渉に訪れる。物資や武器の供給やケガ人や子供、老人を“タワー”で保護してほしいという要求に対し、ずっと黙っていた漆原は「要求は何一つ飲むつもりはない」と言い放った。
漆原が約束を破ったことで明日葉は“ウイルスに関する事実”を告発するのだが、当の本人は「何のことだ?」ととぼける始末。そんな漆原に怒りが収まらない坪井は、漆原に襲い掛かり刺し殺すのだった…。
パニックになった冬馬が慌てて証人である理一の母親を呼びに行くと、彼女は理一の脇で血を流し倒れており、理一は「母は自殺しました」と淡々と話す。しかし実は、理一との再会を待ちわびていた母親が彼を抱きしめた際、理一は「母さん、邪魔しないでよ」と冷たい顔で言い放ち、自身の母親を撃ち殺していたのだ。
“ユートピア”が混乱する中、「文明を取り戻さないと」「私たちの手で」と秋吉(本郷奏多)に無線で連絡を取る結月(横溝菜帆)。そして、戦闘車を引き連れて、ついに秋吉が“ユートピア”へやって来る――。
理一は明日葉たちにとっての脅威になるのか?
“アンダー”やレジスタンスの要求をようやく漆原に交渉するまでこぎ着けた明日葉と冬馬だが、漆原は約束を破り要求を否認、そして反発したレジスタンス・坪井によって殺された。毎回一筋縄ではいかない「きみセカ」シリーズだが、シーズン5もやはり何度も立場や状況がひっくり返る展開が描かれている。
“タワー”でもっとも影響力のある漆原がいなくなったことで立ち回りやすくなったと思われるが、まだ元老院の中には“漆原派”も多数残っているうえに、簡単に母親を打ち殺してしまう理一の存在も考えると、明日葉たちにとっての脅威はまだ完全に取り除かれていないように思える。そして漆原は、冬馬ではなく理一を“後継者”に選んだことから、ある意味“ラスボス”のような存在になるのかもしれない。
ラストで秋吉が戦闘車を引き連れてやって来たこともあり、ますます抗争は激化するだろう。次回が最終話となる第5話は、3月8日(金)に配信予定だ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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