第1週は、“女学校を出たら結婚し、子を産み、家庭を守るべし”という考えに納得できない寅子が、自身の将来について家族と対峙し、さまざまな出来事と向き合う。そんな寅子が見せる豊かな表情が印象的。伊藤は「物語に入る1週目なので、どういうふうに設定したらいいのかな?とか思ったのですが、私は考えることが苦手なので、とにかくやってみるしかなく、体当たりでやりました。また、チーフ監督さんが、全力で演出をして基準を作ってくださったり、周りの方からもらったものに素直に反応していたりしたら、表情豊かになりました」と振り返った。
さらに、現代とは異なる当時の女性が置かれた状況に、伊藤は「(台本を読んで)驚きの連続でした!今でこそ、みんなが当たり前に疑問に思うことを、当時は言えなかったり、育ってきた環境で疑問にすら思わなかったり。だから、寅子の思いは現代的だし、“なんで?”と、素直に言える子。(寅子は)基本的に『はて?』と言っているんですが(笑)。その『はて?』はとても貴重なもので、かつ、寅子の『はて?』は私自身の代弁でもあるので、疑問を持たずに『はて?』と言えます。寅子のこの口癖は私自身にリンクするのでとても演じやすいです、共感しています」と役への思いを明かした。
また、さまざまな場面で、寅子のみならず多くの女性が悩んだり苦しんだりしている姿が描かれている。そんな姿について、伊藤は「意識しているところとしてないところがあります。第1週の終わり、橋の上で寅子が夕日を見ているシーンがあるんですが、その寅子の横に、色々な世代の女性たちが並んでいる演出に気付いた時は感動しました」と語った。
続けて、「(同作は)寅子の成長を描いていますが、その背景には、寅子だけじゃなく家族、友達、その他にもたくさんの人が虐げられたり困っていたりする。そういう人の思いを背負って(寅子は)やってきたし、やっていくし、というところをそういう演出で見せていたのは身も気も引き締まりました。他にも、細かい演出にもメッセージが詰まっているので、大事にやっていきたいし、見てもらいたいと思います」と真剣な表情を。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)