記憶障害を抱えつつも医療現場に立ち続ける主人公
物語は、ある事故をきっかけに過去2年間の記憶をなくし、今日のことも翌朝には忘れてしまうミヤビが、毎朝びっしり書かれた日記を読み返すことで、看護師の補助的立場で医療現場に立ち続けている姿が描かれていく。
杉咲:ミヤビは毎朝、記憶障害という現実を突き付けられ、想像し得ないような恐怖を感じているのではないかと思います。そんな生活の中で三瓶先生に出会い、猛烈に医者でありたいという自分の気持ちを再確認して、もう一度夢を見る。ミヤビにしかできない形で患者と関わっていく姿はとても格好良く魅力的です。ミヤビを含めた登場人物の生活の手触りのようなものが感じられるドラマにできたらいいなと思っています。
若葉:人間のうごめきや、やるせなさ、一縷の希望。そういう言語化できないものを感じてもらえたらいいなと思います。
井浦:もちろん経験しない方がいいですが、自分や大切な人がミヤビのように記憶を失うことがあるかもしれません。そういうとき、自分だったらどうするか、どう寄り添うかということを僕たちも考えながら作っていくと思うので、楽しみつつ一緒に考えてもらえたらうれしいなと思います。
◆取材・文=及川静 インタビューカット:スタイリスト=渡辺彩乃(杉咲)、椎名倉平(若葉、井浦)/ヘア&メーク=竹下フミ(杉咲)、近藤あかね(若葉、井浦)
※「月刊ザテレビジョン」2024年5月号