杉咲花が、4月7日に都内で開催されたドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」(毎週月曜夜10:00-10:54、フジテレビ系※初回の4月15日は15分拡大)の制作発表会見に出席。共演の若葉竜也、岡山天音、生田絵梨花、千葉雄大、吉瀬美智子、井浦新と撮影エピソードや、作品にかける思いなどを語った。
“記憶障害の脳外科医”の再生の物語
同作は、“記憶障害の脳外科医”という前代未聞の主人公が、目の前の患者を全力で救い、自分自身も再生していくという新たな医療ヒューマンドラマ。原作は、漫画誌「モーニング」(講談社)で連載中の同名漫画で、元脳外科医である子鹿ゆずるが描く“リアル脳外科医”の世界が、医療従事者のみならず、各方面から絶賛されている。
主人公の“記憶障害の脳外科医”川内ミヤビを演じる杉咲は、放送まで約1週間に迫った今の心境を聞かれると「今日まで『アンメット』に関わる方々と何百時間アンメットについて言葉を交わしてきただろうと思うと、胸の奥がジーンとするような気持ちになります」と吐露。
「一昨年プロデューサーの米田(孝)さんとお会いして、原作に出合って、映像化するにあたっての熱を帯びた思いを伝えてくださって、そこから本当に素晴らしい制作陣の方々が集い、今日まで過ごしてきました。既にとんでもなくすてきなシーンがたくさん収められているように感じていて、もうすぐそれが放送されるんだなと思うと、息が早くなるような気持ちです」と、丁寧に自身の思いを打ち明けた。
また、撮影現場の雰囲気については「本当にすてきな現場ですね。みんな仲良しですし、毎日現場に行くのが楽しみでした」とニッコリ。
そして、その上で「自分にとっては初めての現象なんですけど、自分を含めたすべての方々がすごく緊張されているように感じて。本番に向かっていくにあたって、私もすごく緊張してきて、心臓の鼓動を録音部さんが拾ってしまうので、マイク(付ける位置)を下げられるみたいなことがあるぐらいで、それがコンプレックスに思う時期もあったんですけど。皆さんの姿を見ていて、それだけナイーブに役と向き合って、そういう状態でしかたどり着けない領域があるんだということを感じて、光を見つけられたような気持ちです」と、張り詰めた緊張感があったからこそ実現できた撮影もあったことを振り返った。
また、これまで何度も共演している脳外科医・三瓶友治役の若葉から「数少ない本当に頼りにできる座長だと思います。杉咲さんが主演でやられている作品では4本目の共演になるんですけど、すごく信頼しています。座長としても役者としても人間としても信頼しています」と“座長ぶり”を称賛される一幕も。
杉咲は「うれしいです。私自身も全く同じ気持ちなので。(若葉は)人が疑わないようなところを疑って、見過ごすようなところに感動とか幸福を見つける方。そんな若葉くんの感覚をすごく信じているし、自分たちにない視点で作品を捉えてくださっているので、心強い存在です」と返すなど、互いに全幅の信頼を寄せていることを伝え合っていた。
最近“心が満たされた”エピソードを紹介
そんな中、タイトルの「アンメット=満たされない」という言葉にかけて、反対に「最近心が満たされたことは?」という質問が。
これに対し、杉咲は「日記が劇中に出てくるのですが、実際に手書きで書いていて、本番中に漢字を間違えてしまって、手元の寄りだったのでもう一回やり直さなきゃいけなくなってしまったんです」と、今作の現場での出来事を話し始める。
「裏写りもあるので裏のページもびっしり全部書き直さないといけなくなっちゃって、かなり現場をお待たせする状況が生まれてしまったんですけど、誰一人としてそこにいるスタッフさんたちが嫌な顔せず、『コーヒー休憩ですね』って監督がおっしゃって。スタッフさんたちがコーヒーをみんなに配ってまったり待っていてくださって。何て優しい現場なんだろう…と心が満たされました」と、長めの撮り直しのシーンでも周囲の気遣いでほっこりさせられたというエピソードを披露した。
そんなふうにいいムードで撮影が行われている今作。最後に杉咲は「すごく労力を費やさなければいけなかったとしても、いいものになるなら険しいほうの道を選ぶような、気概のある現場でものづくりをできていることを幸せに感じる日々です。今までもこれからも本当にたくさんのドラマが作られてきたと思うんですけど、“指折りの傑作を作りたい”と、恥じらいもなく言ってみたいなという気持ちです。ぜひ期待していてもらえるとうれしいです」と力強くアピールし、締めくくった。
◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT LLC)