熊本地震から8年。大きな被害を受けた街がどんどん復興を遂げていく中、熊本に今年、台湾の半導体メーカー・TSMCの日本初の生産拠点となる工場が建設された。平田氏は「これから熊本は台湾から来る人も増え、我々も想像がつかないような変化を遂げていくと思うんですね。そういうタイミングで、くりぃむしちゅーのお二人とこうした番組をスタートできるのは非常に嬉しいですし、今の熊本を象徴しているのではないかと思います」と語る。
今回の番組作りを通して、平田氏自身も新たな熊本の魅力に気づいた。
「くりぃむしちゅーのお二人は高校の頃から地元では有名人だったそうです。服のセンスが良く、他校の生徒の間でもカリスマ的存在だったとか。そんなお二人が東京に進出され、大スターになられた。食事をご一緒した際の雑談でさえ、テレビを見ているかのように面白くて。なのに、飾り気がなく親しみやすいんですよね。そんなお二人を熊本が生んだんだと思うと、感慨深い気持ちになります。改めて考えてみると、くりぃむしちゅーさんやWANIMAさん、ものまねタレントのコロッケさんなど、熊本出身の方は唯一無二の魅力を持った有名人が多いんです。やっぱり熊本はすごいなって、思いました」(平田氏)
熊本の人は郷土愛が強く、キー局の番組でも地元のローカルネタが扱われると途端に視聴率が伸びるそう。熊本で生まれ育った東氏も「都会に出た友達から『熊本って全然遊ぶとこないね』なんて言われると、普段自分もそう思っているくせにムカついちゃうんですよね。私だけじゃなく、基本的に熊本県民はそういうところがあって、どこか熊本のものが一番!っていう根拠のない自信があるんです」と語る。
そんな郷土愛強めの東プロデューサーが手がける「くりぃむしちゅーの熊本どぎゃん!?」は、4月から月に1回、10月から週に1回のペースで放送される。3月末まで夕方の情報番組をやりながら準備に追われていたため、さすがに現場も対応できないとのことで、最初は月1からのスタートとなった。
「くりぃむしちゅーのお二人は自分たちのスケジュールの都合で月1になったと思っていたようで、『すみませんが、半年間トライアルを一緒にやってください!』とお願いしたら『そっちの都合かい!』とツッコまれてしまいました(笑)。そもそも、この番組は熊本で撮ったVTRを東京でお二人に見ていただくスタイルにしようと思っていたんです。けれど、お二人の方から『月1回でもロケに行きたいです』とおっしゃっていただいて、今回の形になったという経緯があって。そこにすごく熊本愛を感じました」(東氏)
なお、本番組はTVerでも見逃し配信される。TVerのサービスが2015年に始まって以降、『マルコポロリ!』(関西テレビ)や『かまいたちの掟』(さんいん中央テレビ)など地方局が制作する番組が全国で注目されるようになった。「熊本どぎゃん!?」もその一つになれば、という期待はあるのだろうか。
「TVerに関してはキー局の名だたるバラエティー番組との競合になってくるので、どこまで太刀打ちできるのかは正直言って未知数です。ただトライする価値のある企画であるという自負は持っています。『熊本県民テレビの社運がかかっています』とお二人にプレッシャーをかけさせていただいたところ、上田さんからは『なんでそんなもん背負わせるんだよ』とツッコミが返ってきました(笑)」(平田氏)
これまでも『てれビタ』では、熊本の旬のネタを届けてきたが、夕方の時間帯はそれよりもニュースを求められる傾向にあるそう。そのため、ここ数年は一生懸命取材したものが見てもらえない辛さがあったという東氏は「ずっと熊本から全国で見てもらえるコンテンツを送り出したいという思いがあったので、これが最後のチャンスというくらいの気持ちでチーム全員の力を注ぎ込んでいきたいと思います!」と意気込んだ。
「くりぃむしちゅーの熊本どぎゃん!?」の記念すべき1回目は4月12日(金)よる7時から放送。以降の放送日は、番組の公式ホームページやSNSをチェックしてほしい。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)