草なぎ剛が、4月23日に都内で開催された主演映画「碁盤斬り」の完成披露舞台あいさつに登場。共演の清原果耶、中川大志、奥野瑛太、音尾琢真、市村正親、斎藤工、小泉今日子、國村隼、白石和彌監督と作品への思いを語った。
古典落語をベースにしたオリジナル脚本作品「碁盤斬り」は、ある冤罪(えんざい)事件によって引き裂かれる父と娘、武士の誇りを賭けた復讐(ふくしゅう)を描くリベンジエンターテインメント。「第42回日本アカデミー賞」優秀監督賞受賞の「孤狼の血」などを手掛け、同作が自身初の時代劇となる白石監督が主演・草なぎと初タッグを組む。
主人公・柳田格之進役の草なぎは、“寡黙な武士”を演じた感想を「すごく楽しかったですね。キョンキョンさん(小泉)のファンなので(笑)」とおどけつつ、「初めての方もいらっしゃいますし、そうじゃない方もいらっしゃったんですけど、皆さんグルーヴがいいじゃないですか。毎日それぞれの方とお会いできて、自分が持っているものをすべて出し切れたので、本当に幸せな環境で映画が作れたなと思いました」と撮影の手応えを語った。
また、ステージ上のほんわかした草なぎと役柄では大分ギャップがあるということをMCから指摘されると、草なぎは「僕も見終わった後にちゃんとやっていたなと思いました(笑)。不思議ですよね」とちゃめっ気たっぷりに回顧し、「職人さんのこだわりもありまして。中川くんが『職人さんのこだわりが詰まった映画だ』とおっしゃっていたんですけど、すごくいい言葉だなと。皆さんこだわりまくっていて、大変だったんですけど、皆さんのおかげでちゃんと演じることができました。本当に僕の代表作になったと思います」と胸を張った。
職人のこだわりもそうだが、座長・草なぎの思い入れもたっぷり詰まった作品ということで、舞台あいさつの途中には話したいことがあふれた様子で草なぎもヒートアップしていき「清原さんと中川さんはずっと囲碁ばっかりやってて…」「國村さんとのシーンはすごく寒かったですよね」「工くんは工くんでずっと格好いいんですよ」など、それぞれのキャストとの思い出やエピソードトークをどんどん話していき、「すいません僕が出しゃばってしまって…」と“暴走”を反省。“座長”の明るさが会場を和ませた。
そんな中、自身がファンだと公言する小泉と連続ドラマ「まだ恋は始まらない」(1995年、フジテレビ系)以来29年ぶりの共演という話題に。
当時のことを、小泉は「(前回は)剛くんが20代前半で、私も20代の終わりくらいに共演して。まだ少年っぽさも淡く残っているころで。オンエアが始まっていったら剛くんが演じたキャラがとても人気が出ていって、出番が増えてキャラクターが大きくなったのを覚えています。そのくらい当時から演じることを楽しんでいるし、すごくすてきだった」と振り返り、「今回久しぶりにお芝居を一緒にしたんですけど、本当に背中がすてきで、主役としてすべてを背負う、引き受けている姿を見て感動しましたし、その背中の役に立ちたいと思って一生懸命演じたつもりです」と伝えると、草なぎは「うれしいお言葉ありがとうございます。キョンキョン、大好きです」とうれしそうに感謝した。
さらに、小泉は「暴露的なことで言うと、春の撮影だったので剛くんは花粉症が大変そうだったよね。格好いい一方で、鼻がジュルジュルしていて…(笑)」と暴露すると、草なぎは「鼻がジュルジュルするし、髭も着けているのでかゆいし、大変でしたね。鼻をかむと髭が取れちゃうんですよ。そしてすぐ直される。それが一番大変でした」と、笑いながら撮影中の意外な天敵について打ち明けていた。
映画「碁盤斬り」は5月17日(金)より全国ロードショー。
◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT LLC)
※草なぎ剛のなぎは、「弓へんに前の旧字体その下に刀」が正式表記