コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、ひとりぼっちさんがX(旧Twitter)上に投稿した漫画「僕だけを見てくれ」だ。9月18日時点で1.1万以上のいいねがつく反響が集まり、話題となっている。今作は、漫画アプリ『GANMA!』で掲載されている作品だ。今回は作者のひとりぼっちさんに制作の背景を伺った。
主人公の春名 陽(よう)が片想いしているのは、幼馴染の植月 太志(たいし)。
笑顔が耐えない太志は、2年前中学3年生の時に交通事故に遭い、左脚が不自由になった。車椅子と杖の生活を余儀なくされた太志を陽はそばで支えてきたのだ。
ある日、学校に転校生が来ることになった。
「どうせならかわいい女の子来い!」と期待する太志に複雑な想いを抱えながらも自分の想いは隠している陽。
2人が教室に入ると、そこにいたのは転校生の女子生徒。
陽は、自分の隣で太志がその女子生徒に、恋に落ちたことを気付いてしまった。
本作は、そんな3人が繰り広げる切ない三角関係ラブストーリーだ。
実際に漫画を読んだ人達からは「感情ぐしゃぐしゃだ」「心臓がキュってなったよ」「お願い読んで」「圧倒するほど良い話」「今の私に必要な作品でした」「共感しすぎて号泣」「全人類読んだ方がいい」「素敵なお話でした」と、いった声があがっている。
今回は、作者・ひとりぼっちさんに『僕だけを見てくれ』の制作について話を伺った。
――「僕だけを見てくれ」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
創作をしたきっかけは5年程前に同人誌のイベントに出ようとして読み切りを描こうと思い陽(よう)と太志(たいし)を作ったことが始まりでした。ですが、当時はうまく話が作れず結局イベントにも出ずに放置していました。
その数ヶ月後に漫画家の道を考え始め、GANMA!に作品を送りありがたいことに担当さんについていただいて前作の『死人探偵』を経て次回作を考えるタイミングで、私も担当さんも「BLをやりたい」という気持ちが一致していたのでBLで新連載をー…と考えていたときに陽と太志のことを思い出して引っ張り出してきました。
後に「ここに女の子を加えて三角関係のお話にするのはどうでしょうか?」というご提案をいただき、こちらの作品と合わせてしばらくは3作品同時に連載企画を立てていましたが、連載に向いているものということで「僕だけを見てくれ」で連載を目指す運びとなり、無事連載に至りました。
――「僕だけを見てくれ」を描くうえでこわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはありますか?
こだわった点は綺麗事にしない話を作ることです。残酷なものは残酷なままに、高校生という思春期の難しい時期に揺れ動く感情をリアルにかつ綺麗事にならないように制作いたしました。
そして読んでいて「目を背けたい」「辛い」と思うような部分こそこの作品ではは見てほしいポイントです!
――本作で特にお気に入りのシーンやセリフなどがありましたらお教えください。
お気に入りのシーンは第52話のラストシーンです。
連載初期から担当さんと「こういう演出したいよね」と お話をさせていただいていた部分だったので最終回間際にこのシーンが描けて嬉しいです!
そしてお気に入りのセリフは第49話の中盤で出てくる陽の「僕は許される資格なんてない」です。ネームを描いているときに初めは別のセリフだったのですが、「なんか違うな…」とたくさん考えた部分でした。
陽が太志にしてきたことへの後悔が前後の演出も合わせてセリフでも上手く表現できたのではないかなと思います。
――漫画を描く際に大切にしていることや意識していることはありますか?
大切にしてることは、心理描写を丁寧に描くことです。
そのキャラの今の状況状態を考えてどう行動したり考えたりするのがこのキャラらしいのか、その可能性をできるだけたくさん考えてキャラを動かしています。時間がかかるし大変ですが大切な作業です。
そして意識してることは、セリフが説明口調で長くなりがちなのでセリフを短くしてかつ‘’絵で見せる‘’ということを意識してやっています。
――ひとりぼっちさんの今後の展望や目標をお教えください。
基本的にはBLを描いているので、上下巻の単行本を出したい、BLアンソロジーに参加してみたい、自作品のドラマCDが欲しいなどという気持ちはあります。しかしそこを目指して頑張ろうという感じではなく、その時に私が持ってる技術や感情で描ける作品をベストを尽くして描き続けるのが一番の目標です。その結果、色々展開していただけるような作品になればいいなと思っています。
――最後に作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
作品と出会ってくださったことに感謝いたします!今後も描き続けていると思いますので、楽しんでいただけるような作品を作れるように日々頑張りたいと思います!
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