毎週木曜夜8時より放送中の、上川隆也主演ドラマ「遺留捜査」(テレビ朝日系)。今シーズンから京都を舞台に移しても、“いつも通り”の「遺留捜査」ワールドを展開してきたが、そんな本作もいよいよ最終回を迎える。
これまで8回にわたって上川の“好きなもの”について毎週連載スタイルで掲載してきた【遺留メモ】も最終回。ラストは、上川が未来永劫(えいごう)愛してやまないはずの「遺留捜査」について、今後の展望も踏まえて語ってもらう、スペシャルインタビューをお届け!
――待望の連続ドラマ最新シリーズ、ここまで振り返っていかがですか?
手前味噌かもしれませんが、2年のブランクがあり、その上で迎えた第4シーズンということでしたので、各話がより洗練されていたように思います。1本1本の台本がそれぞれとても読み応えがありましたし、演じていても楽しかったです。各話の仕上がりが楽しみでなりませんでした。
そして京都のスタッフさんの、淀みのない進行具合。セッティングから後片付けまで本当に流れるように行われ、職人さんが一つの物を作っていく手際のような心地良さがありました。
――撮影されてきて、京都感は味わえましたか?
もしかすると、それは太秦(撮影所)の持つ歴史の一端なのかもしれませんが、一つ一つのセクションごとの意思疎通が非常に密接なんです。
キャメラと照明、照明と音声、音声とキャメラというように、それぞれが有機的に連携して動くので、セッティングも早いですし、あうんの呼吸でとんとんと進んでいく感じが味わえました。いわゆる“組”という概念がより密に生きている。
例えば今回、長谷川(康)監督は複数回をまたいで担当なさったのですが、その数話は同時並行で撮影されました。一話を撮り終えてから、次を撮るという形ではなく。
でもそうした、物語がさまざまに入り組んでしまう状況の中でも、何ら停滞や差し障りを見ることはなく、本当に円滑に現場は進んでいくんです。それこそ京都制作ドラマが培ってきた一つの形なのかなと思っています。
――舞台が京都に変わって特に意識されていることはありますか?
いわゆる「らしさ」は損なわれてはいけないと思っていました、当初は(笑)。
あらためて新しい方々を「遺留捜査」のメンバーにお迎えすることになったからこそ、僕と村木(甲本雅裕)さんの2人は、芯としてそこにあるのが望ましいのだろうなどと思っていましたけど、それは結局独りよがりに過ぎなくて、いつもの糸村をいつも通りに演じていたら、結果なじみのある形に受け取ってもらえたというのが本当のところかもしれません。
自分自身の了見にあきれますが、懸念はいつも杞憂に過ぎない(笑)。何だかんだ思いあぐねても、これまでを大事にしていたら、また新しい「遺留捜査」が出来上がったと、そういう事なんだと思います。
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