キム・スヒョンが主演を務める韓流ドラマシリーズ「太陽を抱く月」(Huluにて配信中)。2012年に全20話が放送された大人気ドラマシリーズである同作は、朝鮮王朝の架空の時代に繰り広げられる宮中ラブストーリーを描いた作品。第8話ではイ・フォン(キム・スヒョン)と彼に仕えるヒョンソンの絆や、健気にも人を癒そうとするホ・ヨヌ(ハン・ガイン)などについて振り返っていく。(以下、ネタバレを含みます)
さらわれたウォルが逃げ延びた先にいた人物
チャン・ノギョン(チョン・ミソン)は、行方が知れなくなったウォル(ホ・ヨヌのこと)を探していた。そばにいただろうチャンシルとソルが目を離している間にいなくなってしまったことを知ると、ある手紙がチャン・ノギョンへと手渡される。
「お前の代わりに神娘(シンタル)を連れていくぞ。取り戻したければ早く王宮に来い」手紙には名前が書かれていなかったものの、以前チャン・ノギョンに王宮へ戻るよう伝えてきた男達からのものであるということは疑いようもなかった。チャン・ノギョンは急ぎ王宮へと向かう。
一方、さらわれたウォルは誰のものかもわからない記憶に苦しみながら運ばれている途中、気絶してしまう。動きがなくなったのを不審に思った男たちは、おそるおそる籠の中を確認する。気絶しているようすのウォルに水を飲ませて起こそうとするのだが、ばっちりのタイミングでウォルの意識が覚醒。男に頭突きをお見舞いして、見事脱出に成功するのだった。
ウォルが街を駆け回って追手から逃れる途中、ときを同じくしてヤンミョングン(チョン・イル)も街のなかを走って逃れていた。「お話があります」と繰り返しながら追って来る男たちから、変装を交えつつ逃げ続けるヤンミョングン。そして驚くべき運命のいたずらによって出会ったウォルに、助けを求められる。ヤンミョングンは返答もせず、抱き締めるようにしてウォルの追手たちを振り切った。ただならぬようすのヤンミョングンに、ウォルは困惑するばかり。
身体を抱かれたこともあり、失礼だと怒るウォル。ヤンミョングンが変装を解いて顔を見せると彼の目は赤く腫れていて、自分が誰だかわからないかと問う。ウォルが答えられないまま待っていると、時間をかけ過ぎたのか改めてウォルを追って来た男たちに見つかってしまう。ヤンミョングンは迫る男たちを華麗に打ち倒し、まずはと2人でその場から離れることにした。
しかし奮戦虚しく囲まれた2人。ウォルの悲鳴に気を取られた隙にヤンミョングンが気絶させられ、囚われてしまうことに。監禁されたウォルは部屋にやってきた女性は一方的に任務を指示し、抵抗をした際には命を奪うと脅迫する。
ウォルが連れて来られた先は王宮。身を清めて目隠しをされたウォルは“呪符”として扱われ、王宮のイ・フォンの寝室へ通される。大王大妃(テワンテビ)・ユン氏(キム・ヨンエ)の命によって、ウォルは“人間呪符”としてイ・フォンの厄を引き受ける道具として運ばれてきたのだった。
ウォルの目隠しが解かれると、そこにはすでに眠っているイ・フォンの姿が。部屋のなかにはイ・フォンとキム・ジェウン(ソン・ジェリム)、そしてウォルだけが残される。ウォルが眠るイ・フォンの身体に触れようとすると、イ・フォンは眠りながらも涙を流してホ・ヨヌの名前をつぶやく。夢のなかでホ・ヨヌとともにあった時代を思い出すと、イ・フォンの寝顔は和らいでいく。
政敵との争い
呪符のおかげか、体調が回復したイ・フォンは政務へと戻る。休む前に命じていた仕事も無事にこなされていたことを確認するために、長い間工事に出たまま家族と離れていた父親を呼び寄せていたイ・フォン。彼から詳しい話を聞き、その労役を労わるために報酬として田畑を授けて家族と暮らすように命じるのだった。
しかし男にはすでに、外戚派の筆頭ユン・デヒョン(キム・ウンス)の息が。男は指示によって返答する内容を事前に決めさせられており、イ・フォンの下賜とはまた別に報酬を受け取っていたのだ。口外すれば子どもの命を奪うと脅されながら、故郷へと戻る男。
そしてそんな政治的危険因子を、ユン・デヒョンが放っておくはずもない。男は故郷への道中で黒づくめの2人組に襲われてしまい、あわや命を奪われそうになる。その間一髪に駆け付けたのがキム・ジェウン。暴漢たちを斬り捨て、男を無事に故郷へ返すのだった。
もちろんキム・ジェウンがその場に駆け付けたのは、偶然ではない。イ・フォンはユン・デヒョンの策略をすべて見抜き、対策を講じていたのだ。剣を習った者特有の傷がついた手などを見て、問答のなかで男が嘘を吐いていること、何かを隠そうとしていることを確かめたイ・フォン。何者かが労役の名目で男たちを各所から集め、軍事訓練に使うための資金を「ありもしない工事費用」として計上しているのだろうと推測を語る。
それが事実ならば大逆罪にあたると語るキム・ジェウンに、イ・フォンは「私は命を狙われている」と語る。案ずるキム・ジェウンに「だが今は心配無用だ。望みが果たされるまで私は生かされる」と真剣な表情を浮かべるのだった。
NHKエンタープライズ