新たな世界に飛び出してみて感じるのが、やっぱり人と人が出会うことの喜びなんです
――オリジナル曲としては「Breath」のほか、今回新たにGRe4N BOYZさんが「ミチシルベ」を書き下ろしてくださっていますが、“この手のひら 握ったままじゃ何も掴めないまま”という歌詞にはハッとしました。
そうなんです! 最後はシンプルな自分に立ち返れる曲にしたかった「Breath」とは逆に、自分がギアを上げて頑張らなきゃいけないときのファイトソングにしていきたい……という想いをGRe4N BOYZさんにお伝えしたら、そんな歌詞が返ってきて。私自身コロナ禍を経験し、退団して新たな世界に飛び出してみて感じるのが、やっぱり人と人が出会うことの喜びなんですね。直接人と会うことの温もりや肌で感じるものって絶対にあって、舞台だってお客様、仲間のキャスト、スタッフさんがいないと成立しない。アルバムで最後にレコーディングした「翳りゆく部屋」(荒井由実)でも、アルバム制作でお力をお借りしたたくさんの人たちの温かさみたいなものに遠くから囲まれて、真ん中でポツンと1人歌っているような感覚があったんです。そういった人との出会いや、これから出会う人たちに対するワクワク感みたいなものも「ミチシルベ」には込めてもらいました。
――人とのつながりというのは、このアルバムの大きなテーマのように感じますし、出会った人々への感謝はアルバム終盤の「誕生」(中島みゆき)でも壮大に綴られていますよね。
「誕生」はファンの方から「歌ってほしい」という要望をいただいていた曲で、すごく壮大で奥深いところに響く曲だなと思っていたんです。そもそも「誕生」という言葉は本当にシンプルで、何気なく「お誕生日おめでとう」なんて言ったりもするけれど、それって生まれてきたことに対する歓迎の言葉でもあるじゃないですか。この世に生まれてきたことの素晴らしさを教えてくれている曲なので、アルバムの実質最後に来るのは必然ですし、そこから改めてピアノバージョンの「Breath」で深呼吸して、アルバムを聞き終えてもらえたらとてもうれしいです。
ファーストアルバム「笑顔の場所」
https://nozomi210.ponycanyon.co.jp/
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