王だけが知る、兄弟の想い人 イ・ミノ“ヤンミョングン”が浮かべる悲しい表情のワケ<太陽を抱く月>

2024/08/31 12:00 配信

ドラマ レビュー

王だけが知る、兄弟の想い人 イ・ミノ“ヤンミョングン”が浮かべる悲しい表情のワケ(C)2012MBC

キム・スヒョンが主演を務める韓流ドラマシリーズ「太陽を抱く月」(Huluにて配信中)。権力をめぐって陰謀が張り巡らされる朝鮮王朝の宮中で、運命に導かれるように恋をした2人のラブストーリーを描いた大人気ドラマシリーズだ。第3話では、主人公イ・フォン(子役:ヨ・ジング)とヒロインであるホ・ヨヌ(子役:キム・ユジョン)の距離がついに縮まるようすが見られた。本記事では、考察を踏まえながら第3話を振り返る。(以下、ネタバレを含みます)

ホ・ヨヌを取り巻く政治とイ・フォンの熱意


宮廷で出会ったユン・ボギョン(子役:キム・ソヒョン)とホ・ヨヌを気にしていたチャン・ノギョン(チョン・ミソン)だが、ひとまず本来の用事である大王大妃(テワンテビ)・ユン氏(キム・ヨンエ)との謁見に臨む。するとユン氏は、ユン・ボギョンとホ・ヨヌを指して「2人のうち、王妃の相を持つ者を挙げてほしい」とチャン・ノギョンに問う。

一方、ユン・ボギョンとホ・ヨヌはある部屋に集められていた。「不愉快な初対面だったけど、今後は仲よくしましょう」とホ・ヨヌが語り掛ける。2人は以前にも出会ったことがあり、その時はホ・ヨヌに仕えていたソル(子役:ソ・ジヒ)がユン・ボギョンの従者に無実の罪で疑いをかけられていた。そこをホ・ヨヌが無実を証明し、ギクシャクした関係になっていたのだ。これを受けたユン・ボギョンは小さく笑う。

「王宮では敵をつくってはならない。仮に敵だとしても、仲間のようにふるまうのだ。お前の本心を隠し、悟られるな。それが政治だ」と語っていた父の教えを守るユン・ボギョンは、笑みをつくって頷く。内心はともかく、ホ・ヨヌと仮初の友人を演じることを決めたようだ。

一方、ミナ王女(子役:チン・ジヒ)の学友となる相手が宮廷にやってきたと報告を受けたイ・フォン。ホ・ヨヌが宮廷に来たことを知って喜び、なんとか彼女と密会できないか思案する。しかしその相談を受けたイ・フォンの従者ヒョンソンは、厳重な警備と今日の予定が詰まっていることを理由に密会は不可能と力説。そして「先日の脱走事件をお忘れですか?罰として殴られた私の尻はまだ治っていません」とイ・フォンに危険な真似はやめるように諭す。

だが、そんな言葉で止まるイ・フォンではない。これまでヒョンソンとの付き合いで自分が助けたことを列挙し、ヒョンソンを半ば強引に従えるのだった。

チャン・ノギョンが見た“2つの月”


イ・フォンは、ヤンミョングン(子役:イ・ミノ)が宮廷でついに再会を果たす。異母兄弟であり身分の差がある2人だけに、なかなか会うこともできなかったのだ。久しぶりの会話に花を咲かせつつ、予定にあった官庁対抗の玉蹴り大会にヤンミョングンも参加させるイ・フォン。キム・ジェウン(子役:イ・ウォングン)、ホ・ヨム(子役:イム・シワン)も集まり、試合が始まる。

ヒョンソンから半ば強引に玉蹴り大会の話を聞いたミナ王女は、ホ・ヨヌを連れて兄たちが参加している大会の観戦に向かう。そんな順調に進んでいる大会の裏で、大王大妃(テワンテビ)・ユン氏の行動は続いていた。チャン・ノギョンに問うた「王妃の相を持つ者を挙げてほしい」という質問に、チャン・ノギョンは「お望みは叶えられます」と答える。

狙い通り自分が送り込んだユン・ボギョンが栄達すると知り、ユン氏は笑みを見せた。だがユン氏のもとを後にしながら、チャン・ノギョンは「なんという運命のいたずらか」と独白する。王妃の相を持ちながら栄達しない者、王妃の相を持たぬのに栄達する者。“2つの月”がたどる運命に、顔を厳しくゆがめるのだった。

玉蹴り大会の最中、ヤンミョングンとホ・ヨヌの視線が交わる。いや、正確にはホ・ヨヌはイ・フォンのことを見ていることを察したヤンミョングン。そして「皆が世子に付いても、ヨヌさえいてくれればいい」と心のなかで呟き、寂しそうな表情を浮かべる。