岡田准一の大ヒット作を“時短視聴”でおいしいとこ取りできる再編集版<SP>

2024/09/05 17:00 配信

ドラマ 映画 レビュー

連ドラで起きた事件を時系列順に再編集


「SPスペシャルアンコール特別編」は、23時台の連ドラ全11話を時系列で再編集し、そこに新撮も加えて放送した総集編。今までのアクションシーンを一挙に観ることができるのはもちろんのこと、井上(岡田准一)の過去、警護に心血を注ぐ尾形(堤真一)が心の闇に傾く瞬間、そして公安・田中(野間口徹)の動きなど、ストーリーに散りばめられていた“伏線”の数々に改めて気づかされる“アンコール特別編”である。連ドラがさらに凝縮してあり、一気見すら時間のない人はこれを見れば「SP」の世界観が十分に得られる。

首相暗殺未遂事件数日後、井上が公安の室伏(春田純一)と田中から取り調べを受ける。井上は室伏にうながされて“SPの特別訓練”を経て警護課第4係に配属されてからの、重要事件の警護経緯を語らされる。なぜ誰よりも早く攻撃に気づくのか、なぜ井上の配属後からテロが続発しているのか、なぜ首相暗殺未遂で謎の模擬弾が撃ち込まれたのか、そして、井上の両親が殺された過去のトラウマについても踏み込まれる。

迫力満点の劇場版を休日のSPたちの姿と共に見せる「―革命前日」


さらにお得感の高いスペシャルドラマは「SPスペシャル革命前日」。劇場版の「SP野望篇」を凝縮したダイジェスト版であると同時に、映画「SP革命篇」で描かれる事件前日の井上、笹本(真木よう子)ら警護課四係のメンバーそれぞれの様子や、尾形、テロリストたちの動向、尾形の真相に迫る公安の田中の動きなどを描く。連ドラではスーツ姿のみだった警護課のメンバーが休日の私服姿で登場し、プライベート部分が初めて明かされるなど、新鮮なシーンも見どころだ。

井上が信頼していた上司、尾形の本性が連ドラの最終話と劇場版で覆るのが「SP」シリーズ最大の謎であり、劇場版の大きな本軸。スペシャルドラマの中の井上たちは、24時間後に前代未聞の事態が日本を揺るがそうとしていることをまだ知らずにいるため、緩急ある作品全体を味わうことができるだろう。