<逃げ上手の若君>仲間に“ド変態”と勘違いされる時行… 頼重が時行に伝えたかったこととは?

2024/09/21 08:30 配信

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アニメ「逃げ上手の若君」第十回より©松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会

足利尊氏の実弟が登場!


また第十回では、足利尊氏(CV:小西克幸)の実弟・足利直義(CV:古川慎)が登場。弟の来訪を喜んだのち、尊氏は「北条の残党がそろそろ乱を起こしそうな予感がする」と鎌倉の守りを固めるようにと命じる。子供の頃、直義が三日三晩かけて暗号にした宝の隠し場所を勘ですぐに当ててしまったという尊氏。その異様なほどの勘の鋭さを、直義は信じていた。

“武とカリスマと直感”の尊氏と、“知と冷徹と理論”の直義。正反対のタイプの秀才二人だが、兄弟仲はすこぶる良かった。尊氏も直義のことを相当に可愛がっているようで、鎌倉幕府を滅亡させた怪物とは思えぬ穏やかな表情を見せる。そんな二人の仲睦まじい姿に心が和んだのも束の間、尊氏が描いた御仏の絵を見た瞬間に直義の表情が一瞬にして強張った。

尊氏が描いていたのは、単なる御仏の絵ではなく、御仏を喰らう怪物の絵。それは尊氏が御仏のことを餌としか認識していないことを意味していた。弟であり、兄のことを慕う直義でさえも悍ましさを覚えざるを得ない尊氏の怪物ぶりが強調された第十回。驚くべきは、この兄弟と北条時行が激突する“中先代の乱”まで既に一年半を切っているという事実だ。改めて本作が儚くも濃密な時代を描く物語であることを実感した視聴者から「もう1年半しかないの?!」「神秘が薄まっていくってなんか寂しいな」「移ろい行く時代を感じて少し切ない。でもしんみりせずにギャグで落としてるのがいいなぁ」という声が上がった。

◆文/苫とり子

アニメ「逃げ上手の若君」第十回より©松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会