戦争の悲惨さと笑いの絶妙なバランス感
昭和16年12月8日、かの戦争が始まった日から間もなく80年が経過しようとしている。
戦争を経験していない世代が大半を占め、私を含め、世界中で起きているもののどこか“他人ごと”と思ってしまっている人が多いだろう。そんな心にこの物語はずっしりと重くのしかかってきた。しかし、さすが宮藤官九郎脚本作品。笑いのスパイスをほどよく入れ込むことで、重たいテーマながら絶妙なバランス感を実現している。
そして、戦時中を描くドラマではあるが、同じ現代を生きる家族がタイムスリップするという構成が、私たちをどこか身近に感じさせる。
太一は令和の現代からタイムスリップした身。資料を読み「いつ、何が起こったか」を知っているのだ。最初はただ起こった“タイムスリップ”という無茶苦茶な事実に反発するだけだったが、徐々に起こる悲劇から人々を守るために奮闘し始める。その姿に、より多くの人を救ってほしい、願わくば大きな悲劇が起こらないようにできないのか…と願わずにはいられない。
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