<SHOGUN 将軍>すべては真田広之の“長いリスト”から始まった「エミー賞」18冠の裏にあった制作秘話5つ

2024/09/27 08:10 配信

ドラマ コラム

秘話5:「ディズニーアトラクション」のようなセット


スタジオFXの創業以来、最高額の予算が投じられたという本作。真田がメイキング映像で「毎日、毎カット、細かく確認した。日本の史実や文化を忠実に守った。すべて計算してある。細部へのこだわりが大きな変化を産む」と語った通り、そのこだわりは細部にまで徹底しているが、やはりインパクトが大きいのは莫大な予算をかけて作られたハリウッドの力技と言われる巨大なセットだ。

「嵐のシーンのセットも、空中に浮かんで自動で操縦できる実物大の船を作ってしまって、その上にウォータータンクがあって、実際に役者を乗せて船を揺らしながら水がダーッと流れてくるんです。それをカメラマンが手持ちのカメラで撮影するという、ディズニーのアトラクション的な感じでした(笑)」と真田は振り返る。

樫木藪重(浅野忠信)がおぼれかける崖下のシーンも、セットの崖に数トン単位の水を流して生み出したという。「忠信くんも体を張った演技を見せてくれています。そういうスケールの大きさとダイナミックなところと、繊細な日本の美学というのが今回のテーマだったので、その辺りが見てくださる方に伝わるといいなと思っています」(真田)

けた違いの規模の予算と人員、労力をかけて作られ、歴史的快挙を成し遂げた「SHOGUN 将軍」。海外では、配信日の火曜日が“Toranaga Tuesday”と呼ばれ、SNSで“Marikosama”や“Fujisama”がトレンド入りするなど大きな反響を呼んだ。

その中心で大車輪の働きをした真田は、「これが配信されて、さらに日本の題材や人材を紹介する作品がどんどん増える。その架け橋にこの作品がなればいいなと思いますし、また機会があればプロデューサーとして日本の素晴らしいタレント、スタッフ、美学を紹介していければいいなということも思っています」と語っていたが、その言葉通りFXは、すでに本作のシーズン2&3の制作を決定した。あの壮大な世界で紡がれる新たな物語の誕生が今から楽しみでならない。

“正しい日本を伝えたい”という真田とプロダクションの熱い思いから生み出された稀代の歴史ファンタジー「SHOGUN 将軍」は、ディズニープラス「スター」にて全話独占配信中だ。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

『SHOGUN 将軍』キービジュアル(C) 2024 Disney and its related entitiesCourtesy of FX Networks

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