「現場の雰囲気は本編とは真逆」ドラマPが明かす、松下奈緒らキャスト陣の魅力&リメークへの思い<スカイキャッスル>
凄まじいスピード感と展開で進む物語も「要素としては全部ちゃんと残せた」
ーー長編の韓国版を日本版として収めるにあたり、“ここは残そう”と考えた部分はありますか?
20話分ある韓国ドラマを全9話に収めたので、尺としては2分の1から3分の1程度にしなくてはいけなかったのですが、実は物語を構成する上で必要な要素は全部落としていないんです。
子どもの人数を整理したり、夏目家の家庭の話や旦那側の話などコンパクトにしている部分は多々ありますが、僕らとしては「意外とまとめられた」という感覚でいます。なので、絶対に大事にしたいところはここというよりは、無理なく大切なところを残しながら脚本作業を進められた印象です。
とはいえ尺としては原作より短いので、凄まじいスピード感と展開で物語は進んでいきますが、最近は展開が早くスピード感にあふれている映画やドラマがたくさんあるので、むしろこれくらいのスピード感の方が、視聴者の皆さんに良いテンポで楽しんでいただけるのではないかと感じています。
ーーコンパクトにする作業もなかなか難易度が高いと思うのですが…。
そうですね。原作を全て紐解き、文字に起こし、そこから取捨選択をする作業を脚本の橋本裕志さんを中心に進めたのですが、全話のプロットを作る作業が一番骨の折れる作業でした。おそらくここに多くの時間を費やしたかと思います。
例えば“未久が突き落とされる”といった物語におけるポイントを何話のどこに持っていくかなど、どの面白さをどこに配置するかといったパズルを組み立てる作業を丁寧に行えたので、いい脚本に仕上がったのではないかと思っています。
「それぞれの幸せの形がどのように帰結するのかを楽しみにしていただけたら」
ーー最終回前の第8話も怒涛の展開で進んでいきましたよね。最後に、最終回のヒント、見どころをお聞かせいただけますか?
これまではセレブ同士でのバトルが繰り広げられていて、そこから段々と九条先生の怖さが際立ってきて、九条先生とのバトルに発展してきていますが、結局のところベースにあるのは“誰かに対する愛”なんです。自分自身や子どもへの愛が強すぎて、自分あるいは家族の幸せを願うがあまりにぶつかってしまっているのだと思います。なので、最終回ではそれぞれの幸せの形が、最後どのように帰結するのかを楽しみにしていただけたらと思います。
そして、ここまでベールに包まれてきた九条の秘密が最終回で全部判明します。彼女がなぜこういったことをしているのか、最後どちらが勝つのか、勝つとは一体何なのか、そのあたりが見どころになっているかと思います。
「本当に終わるのか?」と思うくらいの第8話だったかと思いますが、あと1話でちゃんと終わるので(笑)、楽しんで最後まで見てもらえたらうれしいです。