コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、ちなきちさんの『夫の死体が消えている』。
この作品は、2024年10月27日にX(旧Twitter)にて投稿されると、瞬く間に4000件以上のいいねを集めて話題になった。このポストには「最後まで一気に読んだ!」「いえいえ、むしろアウトwww」「これ本当にやってしまったら、そのままの状態で警察に行こうね、正当防衛だよ!!」といったコメントが殺到。この記事では作者のちなきちさんに、作品のこだわりなどについてインタビューを行った。
定食屋を営む春子は常連さんから、夫・太郎の風邪の具合を聞かれるも、嘘をつくことしかできない。なぜなら夫はすでに冷凍庫の中で死んでいるのだから。
太郎がまだ生きていた頃の話は、5年前のこと。春子は、太郎の日々の暴言と暴力に耐えて生きていた。3代にわたって続いてきた定食屋の不況とプレッシャーから酒に溺れ、ついには娘の夏美にまで手をあげるようになったのだった。もうこれ以上、こんな生活を続けるわけにはいかない。私がやるしかない…。
家族を守るために太郎を殺め、夏美とともに今まで通りの生活をすることを決意した春子。絶対にバレてはいけない、夫の生存を偽装する生活がはじまる。
ーー『夫の死体が消えている』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
私はこれまで、夫婦関係や人間関係のトラブルを実話を元にした漫画が多かったのですが、新しい挑戦として、完全に創作の作品に取り組みたいという思いから今回の漫画を描くに至りました。
ーー今作を描くうえで「こだわった点」や、「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
読者の皆さんに参加していただけるよう、コメント欄で考察してもらえるような含みのあるセリフや絵面を意識して描いていました。そうすることで、作品がより深く楽しんでいただければと思っていました。
ーー今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
私の作品では、どのキャラクターにも人間らしさや同情の余地を持たせることを大切にしていますが、今回はお父さんを共通の敵にすることで、読者が「この人殺されても仕方ない」と思えるようなキャラクターを描くことに挑戦しました。娘の彼氏に嫉妬する父親像は生々しく描けたのではないかなと気に入っています。
ーー普段漫画を描く際に大切にしていることがあればお教えください。
臨場感を大切にし、セリフやモノローグはできるだけ削るように心がけています。そうすることで、読者が物語により没入できると思っています。
ーーちなきちさんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
これまでダークなテイストの作品が多かったのですが、今後はもっとポップな路線にも挑戦して、作者としても読者の皆さんがワクワクするような様々なジャンルの漫画を描いてみたいと思っています。
ーー最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
皆様の貴重なお時間をいただけること、本当にうれしく思います。これからも精進いたしますのでよろしくお願いいたします。
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