コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、meroricoさんがX(旧Twitter)上に投稿した漫画「君のこと好きになりたくないのに」だ。11月13日時点で9000以上のいいねがつく反響が集まり、話題となっている。作品のファンも多く、単行本『君のこと好きになりたくないのに』(文苑堂)も11月15日に発売された注目作品だ。
今回は作者のmeroricoさんに制作の背景を伺った。
男子高校生の青井(あおい)は、男の先輩を好きになり想いを伝えた。しかし、受け入れてくれたはずの先輩に裏切られてしまい、心に傷を負って引きこもってしまったのだ。
親の提案で、祖父が暮らす田舎に引っ越し学校生活をリセットすることに。そこでは本当の自分を隠して学校生活を送ると決意した。
そんな青井に転校初日から声をかけてくれたのが、隣の席になった鳥羽(とば)。不愛想な彼だったが、青井が困っているところをいつも助けてくれて、気持ちに寄り添ってくれる。青井は次第に鳥羽へ気持ちを許していく……。
今作は、そんな2人が繰り広げる青春ラブストーリーだ。
実際に漫画を読んだ人達からは「すごくいい」「絶対買う」「また面白そうな漫画を見つけてしまった」と、いった声があがっている。
今回は、作者・meroricoさんに『君のこと好きになりたくないのに』の制作について話を伺った。
――「君のこと好きになりたくないのに」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
私は普段からコミュニケーションに悩むことが多く、「あのときこうすればよかった」と後悔することがよくあるのですが、現実では一度のミスやすれ違いをその都度フォローしたり修正したりするのは難しく、ちょっとした行き違いから縁が遠くなることもあります。
本当は、すべてのことがうまく取り返しがつけばいいのに…と思っていて、そんな時に有島武郎の『一房の葡萄』を読んで、心がすごく晴れたんです。主人公が絶望するほどの失敗が、第三者の助けで自然に解けていく様子が深く心に残りました。こんな風に、誤解や過ちがふと解ける瞬間を描けたらと思いました。
あと、洋画の『君の名前で僕を呼んで』の北イタリアの舞台がすごく好きで、自然が多い場所を舞台にして、青い空や緑の木々やそこから溢れる木漏れ日を描きたいと思いました。
なぜか北イタリアが九州の田舎になってしまったんですが…。
――今作を描くうえで、こだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはありますか?
『君のこと好きになりたくないのに』は夏の田舎が舞台ということもあり、川や山や空など自然物の輝きや、そこから溢れる光などを意識して描きました。モノクロの画面ですが、澄んだ緑や青のイメージとかが広がるといいなと思っています。
――普段ストーリーやキャラクター設定を考える際にどのような所から着想を得ることが多いでしょうか?
誰かと話しているときや、SNSを見ているとき、読書や映画を楽しんでいるときなど、他の人からの情報や刺激を受けたときに、アイデアが浮かぶことが多いです。
――漫画を描く際に大切にしていること、意識していることがあればお教えください。
台詞のテンポには気を遣っています。言わせてるのではなく本人達が喋っている…という気持ちで考えています。また実際にテンポがおかしくないか朗読したりしています。
――meroricoさんの今後の展望や目標をお教えください。
これからも継続して漫画をたくさん描きたいです!
いつか誰かにとっての一番好きな作品を描けたらいいなと思っています。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
初めての単行本になります。
今までずっと応援してくださった方も、新しく読んでくださった方もありがとうございます!
これからも楽しみにしてもらえるように精進していくので、お付き合い頂けると嬉しいです!
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