コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、明石こやさんがX(旧Twitter)上に投稿した漫画「卵巣嚢腫摘出レポ」だ。今作は、作者の明石こやさんが実際に卵巣嚢腫を摘出した時のレポ漫画で、11月25日時点で6.8万以上のいいねがつく反響が集まり、話題となっている。今回は作者のこやさんに制作の背景を伺った。
胃腸炎で入院中に医師から告げられたこととは…
作者のこやさんは胃腸炎で入院した際に、医師から「卵巣に腫瘍があります」と告げられた。
検査の結果は良性だったため、定期的に経過観察をすることに。
しかし、その数年後の経過観察中に腫瘍が3cmから5cmへと大きくなって大きくなっていたことが発覚。5cmくらいになると茎捻転(ねじれる)可能性が出てきてしまうとのこと。
こやさんは即断即決で腫瘍を取ることにした。
こやさんの卵巣嚢腫は「成熟嚢胞性奇形腫」という部類のもので、卵巣嚢腫の中では比較的多いものだそう。このように漫画内ではそもそも卵巣腫瘍とは…という詳しい説明や入院&手術の様子がこまかく描かれている。読んでいて勉強になることばかりだ。
実際に漫画を読んだ人達からは「同じ手術しました」「勉強になった」「めちゃくちゃわかりやすい」「私の体験談みてるみたい」「とても参考になった」と、いった声があがっている。
今回は、作者・明石こやさんに『卵巣嚢腫摘出レポ』の制作について話を伺った。
作者・明石こやさんの創作背景とこだわり
――「卵巣嚢腫摘出してきた!手術&入院レポ!」を創作したきっかけや理由があればお教えください。
病気の周知・啓蒙の目的を持って描くことを決めました。男性にとっても知的好奇心をくすぐる内容だと思いますし、女性にとっては身近だけど体験談の少ない病気だと思うので、男性には認知を、女性には認知と更に共感…他にも罹患している人がいるよ、という安心感みたいなものを伝えたくて描き始めました。
この病気のことを少し見かけたことで、本人もしくは家族に、腹部の違和感や出血があった時、「そういえば昔レポ漫画で見たな、婦人科いってみようかな」と1人にでも思ってもらえたなら意義があったと考えています。
――「卵巣嚢腫摘出してきた!手術&入院レポ!」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントはありますか?
こだわった点はとにかく「コミカルに読みやすく」です。説明のわかりやすさを重視しています。
病気・手術・入院という重いテーマを最後まで読ませるために明るく楽しいトーンで、おへそという裏テーマも合わせて暗い気持ちにならずにレポ漫画を完走してもらうことを意識しました。
――今作は多くの読者から反響がありましたが、特に印象に残っているコメントなどがあればお教えください。
とにかく多くの人から共感をいただけたのが驚きでした。卵巣嚢腫のみならず、全身麻酔の手術というくくりでおへその掃除やフットポンプの窮屈さに「わかる!」と言っていただけたのが印象的でした。
――普段、作品を描く上で大切にしていることはありますでしょうか?
悪感情、不快感をあまり描かないようにしています。そういうのが得意で描いてる人は沢山いるので、私は私の得意な前向き・嬉しい・楽しいだけ描いていたいと思っています。
――こやさんの今後の展望や目標をお教えください。
レポ・エッセイで単行本を出してみたいです!!
あとは野球が好きなので、「始球式で投げること」を目標にしています。もちろん、「始球式で投げてきた」レポ漫画を描くこと込みで。笑