数あるドラマの中でも、先の展開が読めない“サスペンス”というジャンルは見続けるうちにどんどんハマってしまう魅力がある。後半戦に突入し盛り上がる中、配信などで今からでも視聴が間に合う放送中のサスペンスドラマから、WEBザテレビジョンでも反響が大きかった毛色の違う“ドキドキ”が詰まった3作品を紹介していきたい。
柳楽優弥主演ドラマ「ライオンの隠れ家」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)が話題だ。市役所勤務の真面目な青年・洸人(ひろと・柳楽)と自閉スペクトラム症の弟・美路人(みちと・坂東龍汰)の兄弟が、突然現れた「ライオン」と名乗る謎の男の子(佐藤大空)と出会うことから始まる物語。
放送開始当初、XなどのSNSでは「毎回うるうる泣かせてくるドラマ」「みっくんの行動あまりにもウチの子と似てる」「自閉症と暮らす家族ってこうなの」など、愛称“みっくん”こと美路人を演じる坂東の演技力や、「こだわりある子は親子丼をご飯にのせたがらない。お皿に分けて置いてた、スタッフ信頼できる」「そう、寝る時間、起きる時間、場所は変えたがらないんだよね」といった障がいの部分を丁寧に描いていることが注目を浴びた。
「ライオン」を演じる子役・佐藤の可愛らしさや、3人がみるみる本当の家族のように心を通わせて仲良くなっていく様子も視聴者を沸かせているが、回を重ねるにつれて今作のオリジナル脚本が描く“サスペンス”要素が色濃くなっている。
幼いライオンがなぜ洸人の元に預けられたのか。ここが大きなポイントとなっていたが、それは11月22日放送の第7話までにライオンの母で、洸人と美路人の異母姉弟の姉である愛生(あおい・尾野真千子)が夫・祥吾(向井理)からの暴力から逃れるためだったことが分かっている。だが、まだ愛生の本心がまだ明らかになっておらず、洸人としてはただただライオンを守らなくてはいけない状況にある。一連の事件を追う週刊誌記者・楓(桜井ユキ)は“息子殺し”とされていた事件の子(ライオン)がまだ生きているという記事が世に出てしまった責任をとり出版社を退社した。
みっくんがゆっくりと自然体で“ライオンのおにいちゃん”になってきているところが涙を誘う。障がいそのものを描くドラマではなく、非日常に巻き込まれたある家族というスタンス。このまま3人とライオンの母に幸せが訪れることを願わざるを得ない作品だ。
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