w-inds. 完全自主制作の新作「Time Has Gone」ーー楽曲制作を通じて手にした手応えとは?

2017/09/29 20:00 配信

芸能一般 インタビュー

9月27日(水)に新曲「Time Has Gone」をリリースしたw-inds.。今作は、前シングルに引き続き、橘 慶太が作詞・作曲・編曲を担当、さらにトラックダウンまで自身で手掛けた意欲作になっている。今回、最先端の音楽を発進し、再注目を浴びているw-inds.にインタビューを敢行。初の全曲自主制作となる新曲のエピソードや想いを語ってもらった。

【写真を見る】日本だけでなく、アジアでも評価が高いw-inds.。11月11日(土)には香港でもライブを開催するPhoto by キセキミチコ(KISEKI inck)


「愛は薄れゆく、記憶から消えていくものだけど、忘れたくない」という気持ちを歌にしたいと思った


●新曲がついに全曲自分たちでの制作となりました。心境はいかがですか?

【慶太】純粋に嬉しいです。外部から楽曲提供されるのは、表現者という立場が強いのですが、自分たちで制作することで、完全に音楽家に踏み入れたなと。音楽家でも足を踏み入れない領域に踏み入れたくらいの気持ちがあります。

●一時期はw-inds.の楽曲を自分がプロデュースすることへのバランスを考えていたこともありましたけど、そこは吹っ切れましたか?

【慶太】2017年の一発目のシングルを自分の作詞作曲で出したことが、いろいろな方に評価して頂けたり、ファンの皆さんにもいい反響をもらえたので、自分が考えすぎてたのかなって(笑)。こうなったら思い切ってやってみようって思うようになりました。

●龍一くんは、全曲自分たちのプロデュースでシングルを出せることに対してどう思いますか?

【龍一】感慨深いですね。今まではパフォーマーとしての立ち位置に近かったんです。今回、全曲慶太が作ってミックスもやってというのは嬉しいし、リリースした後の周りの反応も楽しみですね。

●レコーディングはどうでしたか?

【龍一】レコーディングを自由にやれる環境が、今は楽しいです。今まではいろいろなスタッフを交えてw-inds.の形を作っていく制作スタイルでしたけど、僕たちしかいない状況下で、w-inds.を作り上げる過程はスムーズですし、手応えもあります。

●前にレコーディングもスタッフが少なくなっていると言ってましたね。

【龍一】自分の思い描く曲がこう連なって一枚になるのは、人が少なければ少なくなるほど、ダイレクトだと思います。今までにない感覚ですね。最初に慶太がデモを持ってきてくれた時の音ってすごくエッジーで、みんな洋楽っぽいって言ってくれる反応があるんですけど、そういうのを慶太なりに、ある種遊び半分でやってる部分もあるんだろうなって思うくらいボーカルの加工とか、今まで聴いたことない慶太の声の成分が出てくるんです。自由に曲を作るというその大胆さが洋楽っぽいと言われることに繋がっていると思います。

●涼平くんはどうですか?

【涼平】今回は制作の過程においてナチュラルに進みました。その制作スタイルが馴染んで出来ているのが楽しいし、その環境もありがたいです。昔だったら、そこに別の意見とかが入ってきたんですけど、今はそういうのがないので。あとはファンの人たちの反応もありがたいですし、今のスタイルになったことで、今までw-inds.に興味のなかった人が注目してくれるようになったのも嬉しいですね。

「今までw-inds.に興味のなかった人が注目してくれるようになったのも嬉しいですね」(千葉涼平)Photo by キセキミチコ(KISEKI inck)


●3曲ともタイプが異なる曲ですが、シームレスに繋がっている感じもあって、「Time Has Gone」は前作を更新するというか、ブラッシュアップする意識が強いと思うんですけど、そういう見方は合っていますか?

【慶太】合ってます。その延長線上で作ろうと決めてました。

●歌詞もサウンドもミニマルに研ぎ澄まされているというか。

【慶太】すごく細かく言うと、若干ジャンルは違います。ディープハウスとフューチャーベースという似たジャンルといえばそうなんですけど、自分の中ではちょっと違うかな。歌詞の世界観も尖った危険な愛から、失った永遠の愛みたいになってます。

●すごく言葉がシンプルですよね。

【慶太】この曲を作っている時に大好きなおばあちゃんが亡くなったんですけど、電話で連絡が来た時にまったく何にも感じませんでした。おばあちゃんが亡くなって、妹とかも泣いてるのに、自分はなんで泣かないんだろう。芸能界に揉まれて感覚がおかしくなっちゃったのかなって思って、すごく自分がイヤになってました。でも、葬儀場でおばあちゃんの写真を見た瞬間に、誰よりも号泣しちゃって。実感がなかったんだなって気づいたんです。その時「愛は薄れゆく、記憶から消えていくものだけど、忘れたくない」という気持ちを歌にしたいと思って、ジャンルもフューチャーベースだったんで切ないのもいけると思って作り始めました。

●涼平くんはこの曲を慶太くんからもらった時、どういうことを思いましたか?

【涼平】まず、楽曲を2日くらいで仕上げてきたことに尊敬ですよね。楽曲もいいし、衝撃も受けましたし、感慨深い曲です。長い人生の中で、喪失感というものはあるし、僕も生きてきてそういう感覚あるんですけど、その時の感覚をこの曲から感じますね。慶太には作り手としての想いがあると思うけど、聴く人によってそれぞれ感じるものがあると思います。

緒方龍一Photo by キセキミチコ(KISEKI inck)


音楽的な変化を与えられるグループでありたいと思ってます


●「This Love」はアルバム『Timeless』(2014年)から最新のアルバム(『INVISIBLE』)までを繋げるような、シンセの音色は最近寄りで、黒くてアーバンな感じがあって、このバランスが見事だなって思いました。これがリードでもいいんじゃないかって思う人もいるんじゃないかと思うのですが。

【慶太】ありがとうございます。まさにそうですね。リード曲に関しては、周りのスタッフも「こっちをリードにしたら」なんて話もありました(笑)。

●3人のボーカルの振り分けの気持ち良さもあるし、良い曲です。

【慶太】僕もいい曲だと思います。自分で言うのもなんですが、いろいろ曲を作れるので、何にしようかなって悩むようになってきました。そのジャンルしか作れないなら、没頭していればいいんですけど、次のw-inds.は何しようかなって思ったら、めっちゃ悩みます。曲を聴けば、どの音色を使ってるかとか、何をしているのかも分かるので、作れないものはないんです。

「僕たちしかいない状況下で、w-inds.を作り上げる過程はスムーズですし、手応えもあります」(緒方龍一)Photo by キセキミチコ(KISEKI inck)


●「A Trip In My Hard Days」は完全にHIPHOPというか、ブラスにエフェクトかけたサンプリングのループで、こういうHIPHOPっぽいのも出てきて面白いなって思いました。

【慶太】これも“いろいろ作れるぞ”アピールです(笑)。ブラスのサンプリングを自分でエフェクトをかけて、ビートもダンスミュージックとかじゃなくて、ブレイクビーツを入れたりしました。

●この曲は龍一くんが歌詞を書いていて、すごくピースな世界観ですけど、どんなことを思いながら書いたのですか?

【龍一】この曲はツアーで涼平と二人でパフォーマンスをするので、その感覚を考えながら、イントロで鳥の声が入っていたり、フレッシュな新しい一日の始まりというか、気分がパっと晴れたような印象もあったので、そこを意識して書きました。ライブで初めて聴く人にも分かりやすいようにしてます。

●涼平くんは龍一くんと掛け合いしている感じとかは、どんな感覚ですか?

【涼平】楽しいですね。割とストレートな思いがあるし歌詞だし、龍一くんの言葉選びを自分が歌うのも新鮮だったので、気持ち良かったです。

●慶太くんは二人のパフォーマンスをどう見ていますか?

【慶太】二人がパフォーマンスしてる時は、次の曲の準備で見られないんですけど、リハーサルで見ていて、仲良さそうにやっているなって(笑)。

【龍一】リハーサルの時に慶太がいきなり出てきて「A Trip In My Hard Days」と「Original Love」を歌い切って帰っていきました。なんかラップバトルみたいになっちゃって(笑)。

【慶太】なんかリハーサルが楽しくなっちゃいまして(笑)。

【涼平】スタッフとダンサー大盛り上がりだったよね(笑)。

【慶太】めっちゃ笑ってくれたんで、調子のっちゃって(笑)。

【龍一】そういう時の声量すごいんですから! スピーカーが割れる割れる(笑)。

L to R / 千葉涼平、橘慶太Photo by キセキミチコ(KISEKI inck)


●今、w-inds.は各方面から評価と期待をかけられていると思いますが、改めて周りの反響をどう感じていますか?

【慶太】純粋に嬉しいですし、期待にも応えたいです。音楽的な変化を与えられるグループでありたいと思ってます。こいつらヘンなことやってるなーってところから、w-inds.が音楽を変えたねっていう、地動説と天動説のガリレオみたいな存在がいいですね(笑)。いずれ自分たちのやっていることが評価されるというのが一番嬉しいです。

●慶太くんはプロデュースも今後やっていくと思うけど、そこは柔軟に考えているってことですかね?

【慶太】そうですね。時間があればもっと作りたいです。逆にぶっ飛んだことやったら面白いかなと。今一番やりたいのがトラップなんですけど、トラップでHIPHOPなことをやったら、ぶっ飛んでて面白いと思ってます。シングルは難しいかもしれないけど、配信とかなら出せるかもしれない。

●では、最後に言える範囲で2017年のビジョンを教えてください。

【慶太】できれば、もう一枚シングル出したいです。あと香港で公演があるので、香港までに新しい曲を作ろうかな。自分たちでいつでも新曲作れるって武器だと思います。いつでも新鮮なものを届けられるのは良いことですよね。

w-inds.Photo by キセキミチコ(KISEKI inck)


撮影 / キセキミチコ(KISEKI inck) 取材 / 三宅正一(Q2) 文 / NOZATATSU

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