現在、音楽ナタリーで連載中のゲームが大好きなPerfume・のっちが、ゲームに関わるさまざまな人々に会いに行くWEB連載「のっちはゲームがしたい!」。のっちのゲーム愛が詰まった同連載が「のっちはゲームがしたい!の本」として書籍化し、12月6日(金)に発売される。
同書籍は、4年半にわたる連載バックナンバーに加え、ゲーム「星のカービィ」「大乱闘スマッシュブラザーズ」などのディレクターを務めた桜井政博氏とのスペシャル対談、連載を振り返るロングインタビュー、読者からの質問に答えるコーナー、巨大ゲームセンターでの撮りおろし写真など、書籍でしか読めない限定コンテンツが多数収録されている。
そんなのっち初の単独連載&書籍発売を記念して、WEBザテレビジョンではインタビューを実施。ゲームを好きになるきっかけや最近ハマっているゲーム、連載の振り返りなどさまざまなことを語ってもらった。
初めてすごいと思った作品は「テイルズ オブ ジ アビス」
――まずは、のっちさん自身初の連載企画「のっちはゲームがしたい!」が書籍化されると聞いた時の率直な感想を教えてください。
率直に、本になるんだって思いました(笑)。「のっちはゲームがしたい!」っていうWebの連載のタイトルは自分で決めたのですが、本のタイトルについては音楽ナタリーさんとKADOKAWAさんが考えてくださったので、どんなタイトルになるんだろう?と気になっていて。まさかの「のっちはゲームがしたい!の本」でした(笑)。シンプルで分かりやすいし、このタイトルのゆるさも可愛いなと思って気に入っています。自分一人での連載企画は初めてだったので、それがこうやって本になるっていうのは、本当にうれしいですね。
――のっちさんが愛してやまないゲームですが、ハマるきっかけになった作品は?
初めてゲームってすごいなって思った作品は、「テイルズ オブ ジ アビス」というRPGなのですが、“生まれた意味を知るRPG”というキャッチフレーズが付いていて。主題歌がBUMP OF CHICKENの「カルマ」で…、この「カルマ」の本当の意味がゲームを遊ぶと分かるんです。その音楽とゲームの関わり合いも素晴らしいなと思ったし、もちろんストーリー自体もとても良くて。ゲームって映画みたいな壮大なストーリーを自分でプレイしながら作り上げて体験できる。その感覚を知って、とても感動しました。
――そうなると、ゲームのジャンル的にはRPGが一番好きなのでしょうか?
そうですね。やはりストーリーがあるゲームが一番好きです。その中でも、ギミックが面白かったりちょっとした謎解きがあったりするものに惹かれます。
――これまで色んなゲームをプレイされてると思いますが、のっちさんが一番印象に残っている作品は何ですか?
「龍が如く」シリーズは、新宿の歌舞伎町が舞台でそのリアルさが好きです。キャラクターの見た目は怖いけど、その分熱いストーリーもあって。キャバクラに入って女の子を口説くとか、そういった遊び心があるところもまた最高です。
あとは「NieR:Automata」。主人公はアンドロイドという設定で、物語をあるところまで終えたら、また同じ物語の2周目に入るんです。そうすると、敵の声が聞こえてくるなど、今までただのモブ敵だと思っていたものに感情や意識があったんだということに気付き始めて…結局3周4周と続けてしまうんです。周回するたびにお話がどんどん膨らんでいくので、とても面白かったですね。今まで何にも思わずに平気で敵を倒していたことにちょっと罪悪感が芽生えてくるとか、ゲームを周回すること自体にもしっかり意味を持たせた作品なんです。
――概要を聞いてるだけでも面白そうですね。では、最近ハマっているゲームは?
今は「Minecraft」です。昔、HIKAKINさんをはじめいろいろなYouTuberの方たちが“マイクラ”の実況をされていて、それを見て私もやってみたいと思い、始めました。Perfumeのツアーに持っていっては、空いてる時間にひたすらダイヤモンドの素材集めみたいなことをしていて(笑)。建物を立てるとか自由にクリエイトできるゲームなんですけど、私はそれよりも土地を整地したり、素材を集めたり…ゲーム実況者の方たちと同じような建物を作ったりするのが好きなんです。プラモデルみたいな感覚が面白くて、最近また再熱してやっています。
堀井雄二さんの質問に胸が熱くなりました
――のっちさんは連載の中で、ゲームクリエイターをはじめ、ゲームに関わる多くの方たちを取材されていますが、特に記憶に残っている回やエピソードは?
たくさんあるのですが、強いてあげるとしたら「ドラゴンクエスト」シリーズを作られた堀井雄二さんにお会いした回です。“ドラクエ”っていろいろな世代の方に愛されていることを改めて実感しましたし、私もその一人です。「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」をやり込んでいたので、より感動しました。
堀井さんから「『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』のヒロイン選択でビアンカとフローラどっちを選んだ?」って質問されて。当時、同じドラクエ好きのお友達と「幼馴染なのか、新しく出てきた富豪の娘なのか、どっちを選んだ?」っていう話で盛り上がっていたので、それを生みの親である堀井さんから聞かれて、不思議な感じがしましたし、胸が熱くなりました。
――それは確かに記憶に残りますね。この連載を読んでいるとゲームクリエイターの方たちの脳内を覗き見しているようで興味深かったです。
ゲームクリエイターの方たちはずっとゲームについて考えているんだろうなと感じました。机に向かうのではなくて、日常生活で四六時中、ずっと思考してるからこそ、想像もつかないようなアイデアが出るんだなって。私たちが何気なくスルーしてるような些細なことも常に違う目線で見て考えられているんですよ。たとえばこのコップ、裏はどうなってるかな?とか。だからこそ、アイデアを求められた時に答えをすぐにいくつも出すことができるんでしょうね。
――のっちさんは連載を通してゲームクリエイターの方たちに今、どんな印象を持っていますか?
やはり一つの作品を開発するのに4〜5年かかったような話を当たり前に聞くので、そんな時間軸で生きたことがない私にとっては信じられない話だなと。改めて一本のゲームを作るのがどれだけ大変なのかを痛感しています。クリエイターの方々は一見飄々としていますが、やはり皆さん中身はとてもストイックな印象です。
でも、クリエイターさんそれぞれに、ゲームを作るきっかけや、重きを置いているポイントなどは本当に違っていて。その違いが個性になり、人としてもゲームとしても魅力に繋がっているんだなと感じました。私はゲームをするときに、そのゲームごとになんか引っかかるな、気になるなというポイントが毎回あるのですが、その理由の一つが各クリエイターさんの“らしさ”という個性が滲み出てるからなんだと分かりました。
発売日:2024年12月6日(金)
判型:A5判
ページ数:256P
価格:2970円(税込)
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『のっちのゲームがしたい!の本』
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『のっちはゲームがしたい!』
ユニバーサルミュージック
発売日: 2024/05/22