俳優の井上真央が12月9日、都内で行われた映画「サンセット・サンライズ」(2025年1月17日公開)の完成披露試写会に、主演の菅田将暉、共演の三宅健、山本浩司、好井まさお、メガホンをとった岸善幸監督とともに出席した。
「芸能界イチ、なめろう作りが早いと思います」
脚本を担当した宮藤官九郎と岸監督という東北出身の2人から生まれた本作。都会から移住した釣り好きサラリーマン西尾晋作(菅田)と、宮城県・南三陸で生きる住民との交流や、人々の力強さや温かさをユーモアたっぷりに描き、その背景にあるコロナ禍の日本、過疎化に悩む地方、震災などの社会問題と向き合いながら豊かなエンターテインメントに転化させたヒューマン・コメディとなっている。
晋作が住む家の大家・関野百香を演じる井上は、自身の役の説明を求められると「……どんな役でしたっけ、私」ととぼけて会場を沸かせ、「晋作さんに家を貸す大家で、そこでいろんな経験だったり、過去があったりして…怖い(笑)」と全キャストの視線を感じて照れ笑いを浮かべた。
また、劇中では“モモちゃんの幸せを祈る会”の面々からモテるという役どころを演じたが「“モテるなももちゃん”って思いながら、気持ちよくやらせていただきました」と声を弾ませ、魚を捌きながらせりふを言うシーンがあるそうで、クランクイン前に井上とともに魚を捌く練習をしたという菅田から「あれは職人芸ですよね。このせりふまでにここまで身をおろしてとか、全部計算してやっているので」と腕前を絶賛された井上は、「芸能界イチ、なめろう作りが早いと思います」と自慢げ。これに菅田は「なめろう女優」とコメントして井上をイジり、好井も「井上なめろうですね」と悪ノリして井上を苦笑させた。
自分なりの幸せは“アオムシの成長を見守ること”
さらに、本作の主人公・晋作にちなみ、井上にとっての“自分なりの幸せ”とは何か尋ねられると、“アオムシの成長を見守ること”と答え「ベランダにレモンの鉢植えがいくつかあって、たぶんアゲハ蝶だと思うんですけど、毎回卵を産みつけるんですよ。それが徐々に育っていくんですけど、すごくかわいいんですよ!」と目を輝かせ、「レモンの葉っぱをすごく食べるんですけど、かわいいから駆除ができなくて、一生懸命、水をあげて葉っぱを増やそうとしていて、レモンを育てているのか、アオムシを育てているのかわからなくなるんですけど(笑)」とコメントして笑いを誘った。
続けて、井上は「たぶん、蝶の中での口コミみたいなものがあって、“あそこのレモンの葉はいいぞ”って広まるのか、どんどん産みつけていくんですよ」とうれしそうに話し、「(蝶が)来ると“あのアオムシ君かな”とか思うと、ほっこりする時間になって、毎回それが楽しみです。レモンは全然(実が)ならないんですけど、それが癒しの時間になっていますね」と笑顔で語った。
◆取材・文=風間直人