俳優の横浜流星が12月10日、都内で行われた映画「正体」の大ヒット御礼舞台あいさつに、共演の吉岡里帆、原日出子、メガホンを取った藤井道人監督とともに出席。藤井監督と再タッグを組んで挑戦したい作品について語った。
11月29日の公開初日から3日間において、週末興行収入ランキングで初登場1位を獲得した同作。これを受けて横浜は「非常にうれしく思います」と喜び、「大河の撮影しているんですけど、現場のスタッフさんたちも見てくださって。『見たよ』だけじゃなくて、熱い思いを自分に届けてくれたので、この作品がしっかり心に届いているんだなって幸せに感じました」と話す。
同作の舞台あいさつに初登壇した原は、横浜との共演について「流星くんは高校生のときからよく知っています。息子と同級生で、うちにも遊びに来て、雑魚寝して、うちのご飯を食べたり。空手の試合を見に行って応援したり、小さいときから知っている雰囲気ですね」と振り返る。
「彼の作品はずっと追っていて。大スターに成長して、我が子を見守るような形でご一緒させていただきました。彼の成長ぶりがまぶしいです。恥ずかしくないように頑張ろうってことで、すごく緊張しました。たいしたことないじゃないって言われたらどうしようと思って(笑)」と胸中を明かした。
これに横浜は「実は同級生でしたし、仲良かったのでお邪魔して、ご飯も食べさせていただいて」となつかしみ、原との共演を「現場では心強かったです」と感謝していた。
この日は、藤井監督と再タッグを組んだ場合、挑戦したい作品を尋ねられる場面も。横浜は「無縁なコメディーですかね」と答え、さらに「やる意味のあるものをやっていきたいと思っています。藤井監督と作るコメディーは気になりますよね」と続けた。
藤井監督は、同作に出演している山田孝之からコメディー挑戦を勧められていたそうで「(横浜は)その影響が若干あると思うんですけど。僕と流星は本当に才能ないと思うので、自信ないんですけどキャリアをかけて、干される覚悟で挑もうかなと思いました」と意欲を見せた。
山田からの影響なのかと問われた横浜は「そうですね。山田さんが真顔で『藤井くん、コメディーだね。やってみたらいいじゃん』って言うので、それに乗っかろうと思ったんですけど、ちょっと自分らしくないかな。でも、挑戦してみたい気持ちはあるので言ってみました」と口にした。
吉岡は、これまで恋愛モノへの苦手意識を持っていたというが、同作に出演したことで心境に変化があったと言い、「(横浜演じる)鏑木くんと過ごすことで、恋ってよりは愛情が芽生えてくる感じがあって。恋愛ってより深い愛の物語であれば、藤井さんとできそう…って思いました」と告白。
しかし、横浜の回答に「私もコメディーいいな〜ってなっちゃいましたけどね(笑)」と揺らいでいた。
同作は、小説家の染井為人による同名小説が原作。日本中を震撼させた殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けたが脱走して潜伏を続ける鏑木(横浜)は、5つの顔を持っていた。東京でフリーライターをする沙耶香(吉岡)、大阪の日雇い労働者・和也(森本慎太郎)、長野の看護施設で働く舞、鏑木を追う刑事の又貫(山田孝之)の4人が出会った鏑木は、それぞれ全く違う姿であった。この4人の視点から描かれる鏑木の正体、顔を変えながら日本を縦断する鏑木の真の目的とは――。
◆取材・文=大野代樹