ーーヒロイン・香帆を演じる久保田紗友さんのキャスティングのこだわりも教えてください。
香帆は「私って地味だし」というせりふにもあるように、最初は“地味さ”が強調される役です。その地味さや暗さを演技でちゃんと伝えられて、かつ伊織との出会いで自分を取り戻していく過程を、段階を踏んで表現できる方が良いなと思っていました。
香帆は本当に難しい役ですし、その変化を話し合いながら作っていける方がいいなと思い、その点も久保田さんに伝えた上で快く引き受けてくださいました。
撮影後の編集作業中に「こんなことまでしていたんだ!」と気づくような細かいところまで演技されていて、本当に今回お願いしてよかったと思いましたし、久保田さんにしかできない香帆をお見せできているのではないかと思っています。
ーー香帆のモラハラ夫・真也役の長谷川慎さんについてはいかがでしょう?
最初にキャスティングをしたときには、本当にモラハラの演技ができるのかな?と思ったほど、普段は天然で優しい雰囲気なんですよ。
ただ、現場に入ると本当に顔つきが変わるんです。みんなが「怖い…」と感じるくらい真也のモードに入っていて、すごい役者さんだと感じました。
原作でも、香帆が伊織と真也の間で揺れる姿が描かれているのですが、視聴者の方がちゃんとその気持ちの揺れ動きについていけるような方にしたいなという思いがありました。佐野さんは子犬系というか、かわいらしいビジュアルなので、そことはまた違うかっこいい系、かつスーツ似合うことを決め手にキャスティングを考えていきました。
真也って、一番人間的だと思うんですよね。後半にかけて彼の弱みが段々と見えてきたかと思いますが、長谷川さんはその部分をとても大切に演じてくださいました。
ーー最後に、最終回の注目ポイントを教えてください。
第9話の最後が「香帆さん、俺を選んでください。俺はあなたのためなら全てを捨ててもいい」という強いせりふでした。そこから最終話が始まるのですが、「俺を選んでください」と言った後の伊織の行動と表情、香帆が本当に伊織を選ぶのかという部分に注目して見ていただきたいです。
そして、序盤で香帆が語った「コーヒーの花って白いんですよ」という印象的なせりふを思い起こすシーンが最終話で描かれます。伊織と香帆、そして真也が重ねてきた時間を感じていただきながら、最終話を最後まで楽しんでいただけたらうれしいです。
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