話題の俳優・戸塚純貴 作家との異色コラボ企画が書籍に!

2024年はNHK連続テレビ小説「虎に翼」に轟太一役で出演し、「#俺たちの轟」のハッシュタグと共に注目を集めた俳優・戸塚純貴。現在、「ホンノウスイッチ」(テレビ朝日系)、「アンサンブル」(日本テレビ系)と2本の連続ドラマに出演中という、俳優として目覚ましい活躍を見せる彼が、作家・くどうれいん氏とコラボした書籍「登場人物未満」を発売した。
――渋谷のスクランブル交差点、井の頭公園など、さまざまな場所で撮影された戸塚さんの1枚の写真に、人気作家のくどうれいん氏がショートストーリーを執筆。雑誌「ダ・ヴィンチ」での連載が「登場人物未満」として書籍化されましたが、くどう氏との連載がスタートした経緯を教えてください。
僕もくどうさんも、岩手県盛岡市出身なんです。岩手県出身の編集の方が最初別の企画でムック本「いわてダ・ヴィンチ」での連載を提案してくださったのですが、それが「ダ・ヴィンチ」本誌でスタートすることになりました。同郷というご縁で立ち上がった企画です。
――くどう氏は、小説やエッセイ、短歌、絵本などで幅広く活躍し、初の中編小説「氷柱の声」が第165回芥川賞候補にもなった若手人気作家。もともと面識があったのでしょうか?
いえ、このお話をいただいてくどうさんのことを知りました。それを逆手に取って、あえて「くどうさんと会わない」というスタンスで連載を始めたんです。撮影した何枚かの僕の写真の中からくどうさんに1枚選んでもらい、そこに物語をつけていただく…というのは、なんだか文通している気分でした。
スワンボートや、朝5時半のスクランブル交差点でも撮影
――戸塚をおさめた写真は、スワンボートの中やそば店、釣り堀、遊園地とそのシチュエーションはさまざま。写真の撮影場所や設定はどうやって決めていたのでしょう。
根本のテーマは1人で何かをしている人「1人●●」です。最初の渋谷スクランブル交差点は、僕が上京して、あまりの人の多さに東京という街に怖い印象を受けた場所。始まりという意味で面白いんじゃないかと、僕自身が提案しました。1人になる瞬間を撮影するために、朝5時半にスクランブル交差点のど真ん中に行って、はしゃいで撮りました。それをくどうさんにムチャブリというか、そのまま投げっぱなしにして(笑)。くどうさんに書いていただくのだから、普通すぎるのも良くないし、引っかかる写真にしないといけないという思いで、スタッフと意見を出し合いながら毎回シチュエーションを決めていました。

――写真を撮られるときは「1人●●」を演じるということ?
ちょっと違うんですよね…。僕本人ではない何者かですけれど、演じているというより、隠し撮りされている感覚に近い。収録されている15編15人の登場人物には何の繋がりもないから、その場所に馴染む人物でいないといけない、ということを考えながら撮影するのは、楽しかったです。
最も大事にしていたのは、くどうさんがどう受け止めてくださるか。だからちょっと彼女を困らせようと思ったりもして(笑)。それでも、くどうさんは僕の想像をはるかに超える文章を書いてくださるので、すごく楽しいキャッチボールでした。
――何枚かの中から選ばれた1枚は、戸塚さんの予想通りでしたか?
「これを選ぶんだ!?」という驚きが多かったですね。僕の中で「書きにくそう」と思う写真をチョイスすることが多かったです。もっとも意外だったのは、岩手山で両手を広げている写真。まず、溶岩の中に真っ白な服で行くというシチュエーションが謎じゃないですか。あえてズレているものや不思議な写真を撮っていたけれど、くどうさんもこれが一番難しかったとおっしゃっていました(笑)。
――写真を撮る時、チョイスしてもらった時、文章が返ってきた時と、戸塚さんには何度も驚きがあるんですね。
そうなんです。この溶岩をまさか恋愛ものにしてくるとは思わなかったので、「くどうさんはすごい人だな」と思いました。


























