【ダンスを志す者ならば、これを観ないでどうする】舞台「TOKYO TRIBE」は、新たなエンターテインメント作品


井上三太による大人気コミックを原作とする革新的な舞台「TOKYO TRIBE」が上演中だ。ヒップホップカルチャーをベースとした本作には日本のラップシーンに燦然と輝く名曲の数々が全編に散りばめられ、アクター陣によるリアルな演技とスキルフルなオリジナルラップ、そして迫力のダンスで物語のシーンが紡がれていく。そこで描かれるのは、架空の街・トーキョーを舞台に、シヴヤSARU、ブクロWU-RONZ、ハラヂュクJINGUSという3つの“トライブ”が繰り広げる抗争劇。それぞれの“トライブ”のダンスは、本作の演出を手掛ける伊藤今人率いる梅棒、Panicrewの植木豪、Beat Buddy Boiが担当している。ジャズダンスをベースとした流麗な振りや、ストリートに根差したブレイクダンス、あらゆる要素を融合させたド派手なダンスなど、スタイルの異なる三者が創作するパフォーマンスが、そのまま“トライブ”ごとのカラーに違いになっているところが面白い。また、宮澤佐江や當山みれい、業界大注目の10代ダンサー・魚地菜緒といった女性陣が力強いダンスを披露してくれているのも大きな見どころと言えるだろう。


劇伴として流れる楽曲群のリリックがストーリーの輪郭を観客へと伝えていく中、それに合わせて多彩なダンスが次々と挿入されていく。たとえセリフがなかったとしても、彼らのダンスが各キャラクターたちの個性をしっかりと浮き彫りにし、その揺れ動く感情さえも鮮明に描き出していくところはまさに必見。ダンスがもっている表現の可能性――それをあらためて提示してくれている点もまた本作の魅力となっていることは間違いない。

KEN THE 390やDOTAMA、ACE、Beat Buddy BoiのSHUNらが本作のために書き下ろしたオリジナルラップや、今のところ劇中でのみ聴くことができるMIYAVI vs SKY-HIによるテーマソング「Gemstone」を含め、「TOKYO TRIBE」でしか味わえない圧倒的な体験の数々。バイオレンスシーンもふんだんに盛り込まれているが、そのすべてをしっかりと目に焼き付けてほしい。感動的なラストシーンを迎えた瞬間、観客はみな新たなエンターテインメントの夜明けに立ち会えた喜びを感じるはずだから。
東京、名古屋公演を大盛況のうちに終えた「TOKYO TRIBE」は、残すところ10月21・22日の大阪・松下IMPホールでの3公演を残すのみ。ダンスを志す者ならば、これを観ないでどうする。

公演概要
タイトル:TOKYO TRIBE
原作:井上三太(「TOKYO TRIBE2」)
構成:家城啓之 演出:伊藤今人(梅棒)
振付:梅棒 / Beat Buddy Boi / 植木豪
音楽監督:KEN THE 390
キャスト:梅棒(伊藤今人 / 遠山晶司 / 遠藤誠 / 塩野拓矢 / 櫻井竜彦 / 楢木和也 / 野田裕貴)、Beat Buddy Boi(SHUN / Toyotaka / RYO / SHINSUKE)、植木豪、宮澤佐江、當山みれい、大野愛地、魚地菜緒、YU-YA、ACE、DOTAMA、KEN THE 390
TOKYO TRIBE 大阪公演
【場所】松下IMPホール(〒540-6301大阪府大阪市中央区城見1丁目3-7)
【日程】2017年10月21日(土)/ 2017年10月22日(日)

もりひでゆき
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
【「TOKYO TRIBE 」STAGEスペシャルPV】
【「TOKYO TRIBE STAGE 」 KEN THE 390オリジナルラップPV】
【TOKYO TRIBE オフィシャルサイト】
http://tokyo-tribe.com