w-inds.が日本武道館で見せた、最高の音楽とダンスのあり方
最先端の音楽を自ら作り出し音楽シーンに投げかけるw-inds.が、最新アルバム『INVISIBLE』を引っ提げた全国ツアー「w-inds. LIVE TOUR 2017 "INVISIBLE"」を敢行。9月27日に3年半ぶりとなる日本武道館公演で、日本公演のファイナルを飾った。今ツアーは、w-inds.がここ数年発信し続けていた、海外の音楽シーンのトレンドを取り入れた最先端の音楽を、パフォーマンスに昇華して届けるライブになっている。同時に、ダンスのトレンドも最先端を追うw-inds.は、6人のw-inds.ダンサーと共に圧巻のダンスパフォーマンスを見せつけた。今回、ライブのダンスパフォーマンスにフィーチャーして、武道館公演のレポートをお届けする。
最先端の音楽をダンスエンターテインメントに仕上げたダンサー達
まず、ライブレポートに入る前に、今ツアーに参加したダンサーを紹介したい。
ライブの演出は、w-inds.、倖田來未、SUPER JUNIOR、Da-iCEなど、人気アーティストを担当するMASAOが入り、ダンサーはRADIO FISHのSKILL-MASTERとしてアーティスト活動も行なっているShow-hey。倖田來未、SUPER JUNIORなど有名アーティストのバックダンサーを経験してきたMASATO。SKY-HIダンサー(THE SUPER FLYERS)として活躍中のMoney。「Time Has Gone」を振付したニューフェイスのkooouya。8年ぶりに起用された女性ダンサーで、三浦大知ダンサーズとして昨年からライブに参加している、Miu IdeとKANATAの計6人が、w-inds.と一緒に質の高い音楽とダンスでライブパフォーマンスを見せた。
今ツアーは“w-inds.の最先端をいく音楽が話題を呼んだ”という背景を持つツアーになっていたのもあり、メジャーデビューから16年経っているアーティストであるが、新しいw-inds.を見せるという特別な意味を持ったツアーになっていたように思う。その音楽性をより高いパフォーマンスに昇華するために、今回のツアーではいつも以上に幅広いダンスパフォーマンスが取り入れられていた。
ライブのスタートを飾ったのは「Come Back to Bed」。いきなりチルアウトな曲で始まるのも、音楽を聴かせる今のw-inds.ならでは。自分たちのアイデンティティを真っ先に見せるセットリストに、彼らの音楽スタイルへのこだわりを感じる。続く「Backstage」で幕が上がり、ダンサー6人も登場。9人横並びで見せるダンスは、日本武道館の横幅全体を使っていて迫力満点。それでいて、ダンスの構成もしっかりしているので、w-inds.とダンサーという見え方でなく、9人でライブパフォーマンスをしているように見えた。
「Complicated」ではセクシーな世界観にあったダンス、「No matter where you are」ではセンターステージに移動して、余韻のあるダンスパフォーマンスを見せつける。その中にもキャッチーな振付が取り入れられていて、難しすぎないように作り込まれているのが印象的だった。これはダンスだけでなく、w-inds.の音楽にも通じていることだと思う。
海外のトレンドをいち早く取り入れた最先端の音楽とはいえ、敷居が高いようには感じず、すんなり耳に入ってくるのは、w-inds.自体のボーカルにあるのではないだろうか。そう感じさせたのは「TABOO」を披露した時で、この曲は橘慶太の高音のボーカルとハモリがキレイなのだが、彼の高音域のボーカルは、もはや楽器の域に達していると感じた。ダンサーにとって、踊っていて気持ちいい音楽を奏でているグループだと、改めて再認識させられた。
その集大成としてダンスとの強いシナジーを感じたのは、橘慶太がセルフプロデュースした「We Don't Need To Talk Anymore」だ。ディープハウスを取り入れたサウンドで、まずもって日本でこんなカッコいい音楽を奏でるダンスボーカルグループは、w-inds.くらいだろう。ダンスも音ハメポイントが満載の中、そこを取るんだという特殊な取り方をしてみたり、サビ部分のキレ、緩急、ストップなど、あらゆるダンススキルが詰まったパフォーマンスを圧巻だった。
w-inds.の進化は止まらない! 表現の幅広さで見せる楽曲の世界観
「wind wind blow」では、女性ダンサーの二人が白いベールを持って登場。楽曲の風がそよぐ表現を、女性ならではのしなやかさを生かしたJAZZベースの踊りで、作り上げていき、w-inds.はしっとりと歌い上げる。そして、ソロコーナーで披露した千葉涼平の「In your warmth」でも女性ダンサーを起用し、愛の誓いを歌った世界観を視覚化するために、男性ダンサーもパフォーマンスに参加し、ペアダンスで男女の愛を表現した。
このダンサーを使った表現方法も、今回のツアーの見所ではないだろうか。柔らかくしなやかなダンスは女性特有のダンススキルであるし、男女のペアダンスは女性ダンサーがいないと成り立たない。この8年間、女性ダンサーを起用せずライブパフォーマンスをしてきたが、ツアーで新しいw-inds.を見せたい彼らにとって、新たな境地を切り開いたと同時に、音楽の表現幅を広げるための方法を増やしたといっていいだろう。
今まで披露してきた楽曲やこれから披露する楽曲全てに言える事だが、w-inds.のダンサー達は"NEW SCHOOL HIPHOP"を踊っているダンサーだ。簡単に説明すると、JAZZ、LOCKやPOPなどの他ジャンルをHIPHOPに取り入れた形で、人によってまったくスタイルの違うオリジナリティが強いダンスをするスタイルだ。そのため、いろいろなタイプの表現やダンスを高いクオリティで見せられる。
このダンサーの特徴が非常にw-inds.の音楽性に合っているし、彼ら自身も音楽とダンスに対してかなり幅広く表現できるアーティストなので、今ツアーは、w-inds.の表現幅の広さを体感できるライブになっていた。
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・MASAO インタビュー:https://dancefact.jp/special/interview/115428/
【w-inds. / 新曲「Time Has Gone」リリースコメント】
【Time Has Gone(MUSIC VIDEO Full ver.)/ w-inds.】
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