山田洋次監督作品を一挙無料放送 雄大な自然とともに描かれる“人間ドラマ”5作品の見どころを紹介

BS松竹東急(全番組無料放送・260ch)では開局3周年と松竹創業130周年を記念して、山田洋次監督作品10タイトルを3月24日より放送中。本記事では、3月31日(月)~4月4日(金)にかけて放送される後半5作品のあらすじや見どころについて紹介していく。
山田監督が創り出した架空の村の物語「馬鹿が戦車でやって来る」
3月31日(月)夜8時からは、村中からのけ者扱いされる男が戦車で大暴れする映画「馬鹿が戦車でやって来る」(1964年)をノーカット放送。「馬鹿まるだし」「いいかげん馬鹿」に続く“馬鹿”シリーズ第3作目となる本作。
元少年洗車兵・サブ(ハナ肇さん)と弟兵六(犬塚弘さん)、そして耳の不自由な母親・とみ(飯田蝶子さん)の家族は、村の人々から“のけ者”にされていた。特にサブは長者・仁右衛門(花澤徳衛さん)との争いが絶えず、挙句の果てには土地を取り上げられてしまう。その後サブは納屋に隠しておいた戦車に乗って、村中を暴れ始める――。
本作は、名作曲家・團伊玖磨氏の小説「日向村物語」を原作にしている。物語の舞台は、山田監督が創作したという日本のどこかの田舎。“オリジナルの方言まで創作する”という徹底ぶりで、どこかにありそうでない“空想の物語”に仕上がった。ベースは痛快な喜劇の体裁をとっているが、その根底には家族への偏見に対する痛烈な批判がうかがえる。

一家で長崎の離島から北海道へと向かうロードムービー「家族」
4月1日(火)夜8時からは、北海道で牧場主になることを夢見た家族の物語「家族」(1970年)をノーカット放送。風見夫婦は長崎の南端に浮かぶ伊王島に生まれ育ち、炭鉱で生計を立てていた。しかし会社が閉山してしまったことをきっかけに、老いた父親と2人の幼い子供を連れて北海道の開拓部落へ入植。牧場主になる夢を叶えるべく、日本列島縦断3000キロの長旅に出る――。
本作は、長崎の伊王島から根釧原野の開拓部落までの道筋をドキュメント風に描いたロードムービーとなっている。ドラマ性を排除したシナリオや、一家をあくまで客観的に見ているような淡々としたカメラワークによって、よりリアルな旅路を描いている点が見どころだ。また、高度経済成長期まっただ中の日本を象徴する“大阪万博”のシーンも描かれており、貧乏な風見一家と対比させることでより切なさを掻き立てている。

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