M-1王者から右腕を失った芸人、元“不仲”コンビまで……漫才協会の今に迫ったヒューマンドキュメンタリー「漫才協会 THE MOVIE ~舞台の上の懲りない面々~」がTV初放送

一般社団法人漫才協会の実態に迫ったヒューマンドキュメンタリー「漫才協会 THE MOVIE ~舞台の上の懲りない面々~」がCS放送「映画・チャンネルNECO」で4月5日(土)22:20~TV初放送される。
「漫才協会 THE MOVIE ~舞台の上の懲りない面々~」とは
昨今のお笑いブームにおいて、事務所とはまた違った形で活動している団体がある。それが、一般社団法人漫才協会だ。
東京で活動する200人以上の芸人たちが所属する同会は、浅草フランス座演芸場東洋館(通称:東洋館)を活動拠点にしており、漫才公演の開催・漫才師の育成・広報を目的とする一般社団法人である。
「漫才協会 THE MOVIE ~舞台の上の懲りない面々~」は、そんな漫才協会に所属する芸人たちの魅力に迫った笑顔と涙のヒューマンドキュメンタリー。就任当時、同会の歴代最年少会長としても話題になったナイツの塙宣之が初監督したことでも話題になった。
右腕を失いながらも舞台復帰に向けてリハビリに励む芸人

連日多くの芸人たちが舞台に立ち続けている、漫才協会の寄席。その中には、ひとりひとりの芸人ドラマがある。
中でも、今回フィーチャーしたいのは事故で右腕を失いながらも舞台復帰に向けてリハビリに励む者、大空遊平だ。彼はもともと夫婦漫才コンビ・大空遊平・かほりとして33年間活動。しかし、2015年にコンビを解消、プライベートでは離婚し、かほりは表舞台から姿を消した。それでも芸人を辞めるという選択肢がなかった大空はその後、トリオザキュースケというユニットを、そこから形を変えて、結城たかしとふるさとコンビを結成する。
しかし、2022年11月末、酒を飲んで帰路についた際に、線路に転落したまま就寝。その際に列車と接触し、利き腕であり、楽器を使用する芸風の大空にとって大切な右腕を失う重傷を負う。これにより、同年12月に「迷惑をかけるから」との理由で結城とのコンビを解消。しかし、芸人としては続投。「別に辞めようとも思っていないし、舞台をやりたいという気持ちだけですね。漫才協会が場所を持っていないなら別ですけど、場所を無にすることはないなと思っています」と今の心境を語る。
この映画を見ると、私たちが普段テレビで見ている芸人は一握りに過ぎず、東洋館という舞台に立つ多彩な顔ぶれの芸人たちに出会うことができる。
塙会長のスカウト活動は漫才師に止まらず!
漫才協会といえば、看板コンビの1組、“不仲”でも有名になったおぼん・こぼんなどのベテラン芸人が所属するイメージが強いが、この映画を見ると「こんなにも幅広い芸人が所属しているのか!」と驚くことになる。

まず、ナイツとのラジオ共演がきっかけで、漫才協会に入会したコンビがいる。それはM-1グランプリ2021王者の錦鯉だ。最近はテレビにひっぱりだこの2人ではあるが、売れても漫才協会の寄席に出てくれますか?という問いに対し渡辺は「全然出ますよ?もう辞めると思われているんですか?」とキョトンとした表情を見せる。
さらに、にゃんこスターやピン芸人・じゅんいちダビッドソン、マジシャンのふじいあきららも塙会長によるスカウトで漫才協会に入会している。

「うるせーばばあ!」ナイツの師匠・内海桂子への思いも

ナイツの師匠でもあり、舞台に立ち続けることにこだわり続けた漫才協会名誉会長・内海桂子についてのパートも。
今回の映画では、内海桂子が77歳の時に結婚した成田常也も登場。ナイツの若手時代の話や、内海が転倒し怪我をしたことで、ナイツが内海の代わりに40分間の舞台に立つことになった秘話など、思い出話に花を咲かせる。
また、最初は弟子として何も言えなかったが、途中から「うるせーばばあ!」とつっかかるようになったことで、舞台上での“喧嘩”を内海が喜んでいたという話も。内海のとにかく面白いことが好きで、寛容な人間力を伺わせるエピソードだ。
このようにテレビで見るだけではわからない芸人の魅力、生き様が凝縮されている「漫才協会 THE MOVIE ~舞台の上の懲りない面々~」。束の間の幸せを与えてくれる芸人たちの素顔をぜひともその目で確かめてほしい。
文/於ありさ
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
4月5日(土) 22:20〜放送
https://www.necoweb.com/neco/program/detail.php?id=6766
2023年漫才協会会長に就任したナイツ・塙宣之の初監督作。漫才協会に所属する芸人たちの悲喜こもごもを追ったドキュメンタリー。浅草フランス座演芸場東洋館(通称:東洋館)を活動拠点に、連日舞台に立ち続けている漫才協会の芸人たち。事故で右腕を轢断し、舞台復帰に向けてリハビリに励んでいる大空遊平をはじめ、幅広い世代の芸人たちの横顔をカメラが追う。ナイツの師匠でもあり、最後まで舞台に立ち続けることにこだわった漫才協会名誉会長・内海桂子への思いなど、漫才協会に集った芸人たちの過去、現在、そして未来が描かれる。




































