
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『お母さん、ボクシングやめて』を紹介する。「小説現代」で『るなしい』(講談社刊)を連載中の意志強ナツ子さんが、4月20日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、意志強ナツ子さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
一人暮らしをする娘の元に泊まりに来た母が向かった先は

東京で一人暮らしをする娘の元に、母親が泊まりに来た。母は、一階のオンボロアパートに暮らす娘の生活を心配する。しかし娘を気にかける割に、一緒に出かけようとせず1人でボクシングの試合へ行ってしまった。
「見に来んなよ」と言われたが、試合会場まで後を追った彼女は、母の試合を見ることに。そこで見たのは母が試合で奮闘する姿だった。試合の結果は、負け。終わってから母との食事に集中できず思わず涙を流してしまう彼女は、試合を見に行ったことを伝える。
その後「ボクシングやめてほしい」と伝えたものの、“強くなりたいからやりたい”と答えた母。納得できない娘だったが、実は母がボクシングを始めたのは“ある理由”からで…。
この母と娘のエピソードを読んだ人たちからは、「グッと来るものがある」「泣ける」「母娘ってどこか似てしまう」「教科書に載せてほしい」など、多くのコメントが寄せられている。
母娘が抱く感情をボクシングという新しい視点で表現している作品

――『お母さん、ボクシングやめて』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
私は美学校で「意志を強くする時〜漫画の作話精神論〜」という講座を受け持っているのですが、その講座には一年かけて一つの作品を作り上げるという課題があり、講師である私も受講生と一緒に課題に取り組みます。こちらの「お母さん、ボクシングやめて」は2024年度の学期で作った作品です。今回私は「日をまたがない作品」を作ろうと決めて取り組みました。
――本作では、「こっちが強くならないと」という娘の思いが非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
もともとは私が格闘技を見るのが好きなのですが、見ているとどうしても、戦っている本人よりその親の気持ちや、その妻の気持ちになってしまい、勝手に胸が締め付けられて泣いてしまうことが多かったのです。でももし自分の子供が将来格闘技をやると言い出したら、私はそれを認めなくちゃいけない、という気持ちもありました。(ちなみにうちは夫が柔道をしていたこともあって、息子が柔道をする可能性は大いにあると思ったからです…!笑)そこで私は、チャレンジをする子供を「かわいそうだと思わないようにする努力」をしなければいけないと思ったのでした。それは戦う人を身内に持つ者の宿命だと思いました。また以前、元アイドルの女の子がRIZINに出た時に、対戦相手から馬乗りでボコボコに殴られて負け、そこで元アイドルの子が号泣してしまったのを見ました。その横でセコンドが「泣くな!泣くな!」と言っていたのがとても印象的で忘れられませんでした。そこに私の感じる、格闘技という題材と「かわいそうと思われない努力」「かわいそうと思わない努力」というテーマが結びついて、そこを何とか表現してみたいと思ったのでした。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
母が試合に負けて泣いてしまうシーンです。いわゆる“おばちゃん”がボクシングでボコボコに殴られ、さらに肩を震わせて泣く。そのどこか滑稽な感じと、それを見る娘の物悲しさややりきれなさのような気持ちを表現できたかなと思います。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
生きていく中で、なんだか一言で言い表せないんだけど、「なんかわかる」と人から共感してもらえるような、「一理ある持論」だったり「あるある」を感じるものから考え始めています。
――本作は、母娘がお互いを思い合った結果の一つのように感じます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
母と娘の関係を描いた作品は多いですが、その中でも新しい視点のある作品が描けたらいいなと思いました。作画面では、ボクシングの試合が嘘くさくならないように、実際のボクシング動画を見て、試合の展開や体の動きを確認しながら描きました。
――今後の展望や目標をお教えください。
まず白目をむくほど面白い漫画を描きます。そして「精神論」を謳う物語講座の講師として、私の船に乗る人を後悔させない講座を作っていきます!
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
これからも意志強ナツ子らしさを保ちつつ、かつ新しい挑戦をしていきますので、ぜひ追いかけてください。そして物語を作ってみたい人は、初心者でも絵が描けなくても大歓迎ですので、ぜひ意志強ナツ子の講座をチェックしてみてくださいね。
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。




























